中心をまたぐ骨
昨日は、中心をまたぐ骨の話しをしました。
脊椎動物である私達は、背骨は中心的存在ですが、振幅幅が小さいので、そのエネルギー状態に気づきにくです。
しかし、中心をまたぐ骨は振幅幅が大きいので、身体のバランスを観察する時には、脊椎より強く捉えやすいという利点から、蝶形骨や仙骨の調整が生まれたのではないかとも考えられます。
そして、面白いことに、中心をまたぐ骨が連動して動いていると考えると、バランス良く立っていられる理由が見つかるのではないかと思います。
どのように連動しているかを観察するのは、今後の課題ですが、基本的な連動の仕方があります。
この図のように逆向きの変位方向が認められます。ただ篩骨は蝶形骨と共に同じ方向に変位している時があります。このあたりは、まだまだ研究が必要です。
しかし、隣り合う脊椎が左右に変位しているのと同じように中心をまたぐ骨には、このような逆向きの力がかかるようです。
バランスという意味から考えても当たり前ですよね。
ただ、正常時でも若干の左右回旋の変位はあります。それがより強い力で変位する場所を中心に異常が起こると考えられます。
例えば前頭骨は左、蝶形骨は右やや下、篩骨も右でやや上方向、下顎は右で後した方向という変位の仕方があるようです。複数の例を調べてみようと思いますが、上下や前後の捻れを考えると、それでバランスをとっているのかも知れません。
より大きい変位している骨を軽く調整することで、全体に大きな影響を与える可能性があるということです。
人間の身体は、必ずバランスが崩れていなくてはなりません。それが個性であり、一生命の最大の目的である「死」に近づく第一歩です。アンバランスがなければ死ぬ事ができなくなります。
生物にとって死ねなければ、大問題です。代謝されない訳ですから、種族全体にとっての滅亡を意味します。年をとるということはそういうことだろうと思います。
よく新陳代謝を活発にしなければならないと言いますが、人間界で言えば、どこかで戦争を起こして、人口削減しなければならないと言っているのと同じなのではないかと思うことがあります。
私達人間1人1人は、人間界全体にとっては、1人の人間の細胞の一個一個みたいなものです。
破壊と再生を繰り返してこそ若い状態を保てる訳ですから平和で安心な世の中が必ずしも人間界全体にとって良い影響を与えているとは限らないとも言えます。
あくまでも人間そのものの観察の話しを人間界全体と同じと考えた場合の話しですが、たぶん間違いないでしょう。もし新陳代謝を促進させることが大事だと言うのなら破壊と再生は必然的だということでしょう。
少し話しが脱線してしまいましたが、身体を観察していると様々な自然現象や人間のやっている日常的な様々なことと類似することがよくあります。
やはりミクロとマクロというのはつながっているんだろうなと感じさせられます。一つの細胞から見た全体と全体から見た一つの細胞というのは立場の違いで大きく違うということだろうと思います。
庶民の目が大事と言いますが、マクロな目で見ると庶民の目とマクロな目に相違があるというのは仕方のないことなのかもわかりません。