倒れないバイク
人間の身体からすれば足は非常に小さい。
人間型ロボットは大きい足がないと立っていることすらままなりません。
小さい足のまま立たせるには、自立する為のジャイロ機構のような仕組みが必要です。
この動画を見てください。
HONNDAが開発した倒れないバイクは、フロントフォークの角度を変えて、左にハンドルを切ると車体が右に傾くような仕組みを作っています。 その結果自立して立つことができます。
こちらはYAMAHAの自立式バイクの動画です。
二つの自立バイクは構造が違いますが、人間には、これらのバイクの二つの構造を持ち合わせていると思います。
人間も不安定になると身体全体を沈み込ませて膝を曲げ、ジャイロ機構がよりよく働くような仕組みを作っています。足と腰と手、そして頭の動きで重心をとっていると考えられます。
YAMAHAのバイクはリチウムイオンバッテリィが重りの代わりになっているようです。
つまり、倒れない二社のバイクと同じように倒れた方向と逆方向に重心を移動させて、バランスをとる機能があるということです。それに加えて重心を低くして、その精度を高めるのだと思います。
このバイクは低速時にしかこの機能は働きませんから、絶対に倒れないバイクという訳ではないので、これからの進化が非常に楽しみな技術です。
静止時の身体の反応と動作時の身体の反応、特に不安定になった状態での身体の反応は違うということを、この二つのバイクの構造からも予測できます。
そうでなければ、静止して立つことはもちろん、歩行をしたり悪路を最大のスピードで走ったりすることは不可能です。
また、これらを制御している機能がなければなりません。
蝶形骨や下顎骨、仙骨は、昨日のブログで書いたように、それぞれに左右に回転するような仕組みを持つことで、脳に位置情報を送っているのだと思います。つまりセンサーの役割も果たしているということでしょう。センサーが壊れれば当然機能は失われます。
そのセンサーを正常に働かせる為には、これらの骨が物理的ではないセンサーの役割をはたしているということでしょう。
幻暈が起こる場合、篩骨と蝶形骨、それに合わせて側頭骨の乳様突起、後頭骨が影響を受けてバランスを失うことが多くなります。篩骨、乳様突起、外後頭隆起あたりのライン上にセンサー異常が起こり、幻暈だけでなく、自律神経系の異常も起こすのだろうと想像できます。
小脳がバランサーの中枢であることは間違いないと思いますが、小脳の機能だけではバランスをとることは絶対に不可能だと思います。中枢の機能を働かせるには、必ず傾きを感知するセンサーが必要です。そのセンサーの働きによって中枢がよりよく働く訳ですから、これらをワンセットで考える必要があります。
下顎は、やや物理センサーに近い働きをすると思います。下顎の力を抜いてフリーにすると頭の角度に合わせて下顎骨が移動するのがわかります。
しかし、顎が外れてロックされて開口障害が起こっていても歩けないという訳ではないので、様々なセンサーが働いてバランスをとっていると思います。代替センサーが身体の各所にあるということです。総合的に情報を集めているのです。
たぶん、皮膚もそのうちの一つだと思います。皮膚の圧感覚はかなり優れたセンサーです。腰痛時にアンバランスを起こしている時、皮膚の調整を行うと正しく立てるようになるのもその理由の一つだと考えています。
そしてこのセンサーは物理的には動くことのないセンサーです。YAMAHAのバイクのように直接重心を変えるような仕組みはありませんが、頭部を大きく傾けたり、腰を引いたり、膝を曲げたり、手の位置を変えたりして、中枢から送られる情報によって、それぞれの位置を変えているのです。
人間の能力って凄いですよね。
不完全ですが、やっとやっとバイクはやっと自立することできた訳です。人間は遙か彼方にいます。
センサーを鈍らせないようにしていなければなりませんね。