外反母趾の構造
外反母趾も長母指屈筋の異常と思える症状です。
足の母指先の外側が浮き上がっています。
長母指屈筋は、下腿後外側から踵あたりを通って、母指にいきます。
実は長母指屈筋だけでなく、長母指伸筋も大きく関係します。
母指の機能は曲げる作用だけではありません。
長母指伸筋の走行は、下腿の前外側です。長母指屈筋が異常を起こすと、長母指伸筋も同時に異常を起こします。
異常を起こしていると屈曲で外旋できないだけでなく、伸展時に内旋できないということが起こります。つまり屈曲では外旋、伸展では内旋ができなくなってきます。
それによって外反母趾になります。
外反母指の人は、そのものですから母指を伸展しながら内旋内転できない。だから外反母指なのです。外転しているというのは見た目だけの話しです。
母指だけを伸展して、内転できない人は外反母趾予備軍ですね。
時々母指を伸展し内転する意識をしてあげると足がしっかりします。
この動きで長母指伸筋の使い方に不正があり、長母指屈筋の作用が強いから外反母趾に自然になってしまうということです。
そしてこの動きを意識すると長母指屈筋を使うのがわかるようになります。
伸展して何で屈筋?
って思うかもわかりませんが、伸筋と屈筋は常に相互関係で働いています。決して単独では働いていません。しかし、医学を勉強すると単独で働いているような錯覚をします。
知識によって実際の現象を見ないからそういう結果になってしまいます。
知識は必要ですが、知識を活用してこそです。覚えるだけでは知識は活用できません。
覚えるだけならAIに任せておけば良いのです。
これぐらいの情報ならネット検索すれば普通にわかる医学の基礎です。
しかし、その医学の基礎に疑問を持たないと絶対にこの意味がわかりません。
また、位置を変えるように意識するだけで身体は大きな変化をします。
大事なことは意識することです。筋肉を使うことではありません。この意味がわからないと本質はつかめません。
この異常は変形した膝にも腰痛にも足首捻挫にも、下腹部の内臓障害にも肩凝りにも全身の様々なところに影響を与えます。
ちょっとした意識、されど意識です。