長母趾屈筋の話し
足関節の話しの前に腓骨が外旋で固定されていると背屈ができにくくなるという話しが途中で出てきます。その原因は長母趾屈筋だというのですが、この話しとてもよくわかります。以前から書いているように母指の先端の位置に注目するとその意味がわかります。
長母趾屈筋の運動方向は、母指の屈曲方向だと思うのですが、そんな単純なものではありません。
関節は真っ直ぐ曲がる訳ではありません。必ず回旋しながら屈曲します。単純に見える関節でも異常を起こすと回旋度が強くなるのがわかります。これは、見た目の位置と皮膚張力検査を使えばあきらかです。
長母指屈筋って、下腿外側から内側に入って母指につながっているような感じですが、元々捻れているので、ちょっとした圧力(水の流れ等の腫れ)で機能が大きく変化してしまうのではないかと予測しています。
長母指屈筋が異常を起こしていると回旋運動が母指の指先が内旋で固定されてしまうのをよく見かけます。それによって母指先の外側は、浮き上がっています。この状態が強くなると外反母趾が起こるので、指先の回転を正常に戻さないと外反母趾は良い方向にはいきません。靭帯がユルユルの状態になってしまうような外反母趾の場合、それは顕著です。痛みはなくても足全体に必ず問題がでます。
これを無理やり矯正しようとすると逆に痛みがでてきたりします。
構造は変えられませんが、機能だけでも正常に近づけようと意識すると、機能が向上します。長母趾屈筋が関係すると言うことは、長母趾屈筋の走行に何らかの問題がでているということでしょう。
また長母指屈筋と同様に長母指伸筋にも異常がでます。やはり対になっている筋肉ですからね。
この場合の母指先の変化も注目すると面白い結果になります。
機能的な解剖学は、解剖をしなくてもある程度わかります。もちろん解剖してしっかり学べばもっと詳しく学べると思います。ただ、なかなかそういう機会には恵まれないので、自分でできることで模索しています。
それを元に臨床的な結果がでれば間違いないということだろうと思います。もちろん全ての例でうまくいくとは限りませんが、解剖学者の言っていることと観察した結果がよく似ていたというのは自信につながりました。