KYOSHOパワーボートグランプリROUND1レポート!
皆さんこんにちは!京商SS開発担当の浜崎です。
毎週金曜日は飛行機、ボート、ドローン関連の話題をお届けします。
さて、タイトルに有る大会レポですが、実は先日6月23日のKYOSHOパワーボートグランプリROUND1 in 松戸は、残念ながら中止となってしまいました。
天気は曇り空で風も弱く絶好のRCボート日和!と思っていたのですが、会場に向かう道中で江戸川の橋を車で渡っている時に、ふと水面を見たら「あ・・・いろんな物が浮いてる・・・。」
そして現場に着いてみたら、川の流れは速いし、流木があちらこちらに流れていて、とてもレースが出来る状況では有りませんでした。
調べてみたら、江戸川上流の群馬県の周辺で前日に豪雨が降ってダムを放水しているとの事。いつもより水位も上がっていて、流れが速いのはそのせいでした。上流に溜まっていたゴミが一気に流れてきた様です。
そんな状況でも事前エントリーしていただいた選手の皆さんが続々と集まってきたので、とりあえず集合時間の8時まで待機して様子を見ました。
しかし、8時になっても状況が好転しないので残念ながら大会は中止と判断致しました。
集まっていただいた選手の方々にはじゃんけん大会で用意していた賞品をお持ち帰りいただきました。
せっかく集まっていただいたのにレースが出来ず申し訳ない気持ちでいっぱいです。
次回の大会は良いコンディションで思いっきりレースが出来る事を祈ります。
会場の河川敷は国交省からゲートの鍵を預かっていたので長い時間居る訳にもいかないので、9時に施錠して今回の大会は終了となりました。
しかし、これだけではレポートが短かすぎるので、少しだけ私が今作っている選手権用のボートについてご紹介します。
実は大会中止が決まったあと、午後からは水面が落ち着いてくる可能性が有ったので数名の選手の方々と場所を変えて待機し、選手権用ボートのテストをしました。
この船体は今年の全日本選手権に向けて個人的に試作した物で特に製品化の予定は有りませんが、元々FMR自体が船体だけでのパーツ販売しかしていませんので、決まったドライブユニットは特に無く、みなさんそれぞれ色々なパーツを組み合わせて作っています。
実はFMR21Vを電動仕様に改造している方は多く、結構古くから京商のレースでは活躍しています。昨年の全日本選手権400m周回レースのワン・ツーはまさにFMR21V電動仕様でした。今年からはヒートレースにも電動クラスが新設されるので、それに向けてテストしています。大まかなスペックが決まってきたのでここでご紹介します。作ってみたい!と思っている方はこれを参考に是非チャレンジしてみてください。
まず、使用しているモーターは、新製品のハリケーン900VEに搭載される「KYOSHO SPEED HOUSE」の「TORX M6」です。
このモーターは外径40mm、長さ68mmで、6セルLiPoに合わせて1250kvに設定されています。
ESCは、同じくハリケーン900VEに搭載される「KYOSHO SPEED HOUSE」の「KA120-91WC」です。
このESCは連続120A、瞬間最大720Aの防水、水冷タイプです。
いずれもハリケーン900VEのスペアパーツとして近日発売予定です。発売までもう少し待ちください。
そしてバッテリーは今テスト中ですが、全日本選手権のレギュレーションでは、最大6セル、コネクター込みで560g以下という規定なので、3セルを2本または6セルを1本、5セルを1本の中からテストしながら最終的に決める予定です。今のところ3セルを2本使うのが重心位置、パワーといった面で有利かな?といったところです。
ただし、2本使いの場合1本あたり280g以下でなければならないので、それに適合したバッテリーを選ぶ必要が有ります。容量としては3300~3600mAhあたりですね。
プロペラについては、直径37mmから52mmまで10種類以上のプロペラをテストし、走行中の電流値のデータを取りました。
ヒートレースは1周200mのコースを5周走るのですが、コースインしてスタート待機するまでにゆっくり1周、ゴール後、回収までに大回りでゆっくりもう1周、ペナルティした場合最大2周加算までを考えると、全開7周とゆっくり2周走れるパワーが必要になります。今までのエンジンボートの速度で1周15秒程度かかるとして、9周走るには時間にして2分程度走れる必要が有ります。安全のためには走行後に10%くらい残っている様にしたいところです。
例えば、3300mAhのバッテリーを使いきる場合、単純に計算して60分/2分 x 3.3A=99Aとなります。
連続で99A流すセッティングだと、ぎりぎりと言う事になります。10%残すには90A以下にしたいところです。
私のテスト艇のデータでは、すべて3枚ペラを使いました。
42mmくらいのペラで最大でも90A以下になりますが、キャビテーション(加速時にペラが空転する状態)が長く、レースには向きません。
47mmのペラではピークが100A近くまで上がりますが、速度はもう一つ伸びません。
50mmのペラだと加速、伸びともに良く、レースで使えそうです。
52mmのペラは21エンジン艇よりも速く、良いのですが電流値が110A程度まで上がってしまいます。
加速、高速の伸びを考えると50mmのペラを加工して良い所を見つけることになりそうです。
市販されているプロペラはあくまでも「素材」として、レースでは各々加工を施して自分だけの味付けをします。その辺はかなりマニアックになってしまうので、そのうちご紹介します。
まだまだセッティングの途中ですので、ひとまず9月の予選会までにはベストな組み合わせを見つけたいと思います!
では。