Ride in Setouchi & San-in Day 110 (3/7/19) Move to Kobe North 神戸市北区へ移動
Move to Kobe North 神戸市北区へ移動
今日は福知山へ行く途中の神戸市北区で一泊する予定。午後3時頃から雨の予報なのでそれまでに到着し雨を避けたい。この経路の三分の二は三木に滞在したときに既に走って史跡は見ているので、今日は移動のみになるだろう。内陸部で山の窪みを走るので、集落の間は全くの田園風景。春に田植えをした苗が少し伸び、緑の絨毯のごとく一面を覆っている。その景色を見ながら走るのが楽しい。都会を走るよりは、山間部を走る方が景色は数段良い。山間部はアップダウンが多く、走るにはきついのだが、それなりに得るものはある。
数日前に来た淡河 (おうご) 付近。あの山の中に伽耶院という寺がある。百済や任那と同時代の朝鮮の伽耶の国に関連があるのではと言われている。三木には多くの朝鮮からの渡来人がいたのでその人たちが造った寺かもしれない。ここにも別所勢が兵を置き陣を敷いていた。その為、秀吉勢の攻撃で寺院は消滅した。
北区は大きなベッドタウン。神戸の瀬戸内側から六甲山系を越えたところの位置する所。こんなところがこんなに開発が進んでいるとは正直驚いた。神戸市内までは鉄道も走っており、この間行った三木とは大きく違う。神戸市内に出る距離としてはさほど違わないのだが、行政が変わるとこれほどまでに差があるのか..... その事から考えると、大阪都構想はこの様な問題を少しは解決してくれるかもしれない。力の弱い市町村だけで閉じて考えていると、限界がある。県レベルで各市町村の特徴を考慮してバランスをとった総合的な計画が必要だろう。
この北区は近くに有馬温泉がある。泊まりはしないが、街並みは見てみたい気がする。珍しく天気予報どおりに3時から雨が降り出したので、有馬温泉見学は断念。夕方7時の宿のチェックインの時間まで、ショッピングモール内にある図書館で読書をして時間を過ごす。自転車旅行なので本の持ち歩きは極力さけている。荷物の重量を出来るだけ減らす為。たかが本一冊なの精神的には必要最以外のものが増えるといやなので、読書や調べ物は各地の図書館ですることにしている。
今日はこの間宇喜多直家を主人公にした歴史小説を読んだ。その作者の津本陽のエッセイを読んでみた。歴史に学ぶという本。この自転車旅行で各地に城跡など史跡を巡っていると、その史跡を単に見るというよりはその城に関わる歴史や人物に興味が湧く。何百年も前のことで、資料など残っていないケースがほとんどだ。その中で分かっている事と何も資料がない部分を想像で埋めていく。これが楽しい。この本にもその様なことが書かれていた。作家は我々よりの徹底的に資料を分析して、出来るだけ論理的な想像を試みる。津本陽も書いていたのだが、その人物を調べて、未知の空間を埋めて、その人物の考え方や行動の背景などを考えていくと書くのが楽しいらしい。わかる様な気がする。何かで聞いたことがあるのだが、HistoryとはHis Story だと。歴史とは人にまつわるものだ。ここから学ぶ事は多い。ただ、どの様に見るかその向き合い方により、学べる人と学べない人に分かれる。学生や若い社会人には是非歴史に興味を持って貰いたい。多分それで人生は少し変わると思う。