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マヤ

『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(最愛④)

2019.07.05 05:00

湯上り処の引き戸を開けると、中は結構な人でごった返していた。




臣の姿はどこにもない。




隆二は真っ直ぐ飲み物を提供するカウンターへ行き、スタッフに声をかけようとした。




スタッフは何かを察したように手を止めて応対した。




「あの、登坂様でしたら、先程中庭の方に出ていかれましたよ」




「あ…ありがとうございます!」




何も言ってないのに、よく分かったな…と感心しながら中庭に出ようとした。




不意に立ち止まり、振り返ってスタッフに尋ねる。




「一人でした?」




「いえ、お連れ様がご一緒でした」




「え?連れって…」




気にはなったが、それ以上は聞かなかった。




ー知り合いにでも会ったのかな?






美しく整備された中庭を進んでいくと、ベンチに見慣れた男が座っている。




隣にいるのは…




数年前、臣と噂のあった女優だ。




隆二は無意識に身を隠した。




ー偶然ここで再会したのか?




ーそれとも…




声を掛けようか迷っていると、女が臣に話しかける声が聞こえてきた。




「あなたがフリーになったら…私、隆臣くんを育てる覚悟あるから」






ーなに…!?




目の前が真っ暗になった。




ーどういうことだ?臣…




隆二は足早にその場を離れた。




気配を感じた臣が、隆二の後ろ姿をとらえた。





「隆二…」






つづく