映画『COLD WAR あの歌、2つの心』
映画『COLD WAR あの歌、2つの心』
監督:パベウ・パブリコフスキ
出演:ヨアンナ・クーリグ/トマシュ・コット/
ボリス・シィツ/アガタ・クレシャ/セドリック・カーン/
ジャンヌ・バリバーヌ/アダム・フェレンツィ/アダム・ボロノビチ
『ROMA ローマ』よりもモノクロの意味が伝わる。
時代うんぬんもあるかもしれないけど、これは白黒だから最高だった。
『One Day 23年のラブストーリー』のような、2人の時間、2人の記憶だけをピックアップして描いた88分。
急に話や年代が飛ぶし、細かく状況を説明してくれたり丁寧に順序を重ねてみせてくれるものを観過ぎてたかのよう。
空いた間の時間は、3〜4年とか。
でも会っていた時間の最後のカットでは一緒になるぞと言ってたり、行方不明になってたり。
そのカットの後は描かれず、時間が経つ。
そして時を経ての再会になる。
もう、それはそれ。
2人の時間だけを眺め、歳を少しづつ重ねつつも出逢い続ける。
想い続け惹かれ続けていた2人。
昔の映画から、『〇〇〇』みたいなシチュエーションに憧れる、なんて話してくれる年上の皆様。
あぁ、少しわかった気がした。
壁ドンも顎クイも、その後のドタバタや別れの涙への過程を細かく描くことも、感情移入しやすくご丁寧、だけど。
ここまで想像の余地を持たせながら紡ぐ手法が、なんと鮮やかなことか。
「結婚したんだ?」
「あなたと私のためにね」
結ばれないのを悟って、ほんの少しの意地悪のような、シャレのようなジャレ合いの言葉のやり取り。
こういう2人だから通づるのが、心地良いんだよね。
結婚した相手ともちゃんと恋をしたんだろうけど、この特別な関係には敵わなくて、
というか、別で。
ほんの一言、二言の会話に、グッときてた。
こんな恋愛に、関係に、
いや結局は不倫になるからダメなんだけど、笑
憧れを持つ感覚を味わい、堪能しました。
『風と共に去りぬ』についてうっとり語る人生の先輩方の気持ちって、こういうことだったのかな。
映画スターに、映画のシーんそのものに、憧れる、て。
映画館で観て、尚更浸ってしまう。
近々恋に焦がれたくなったら、また映画館に行って観たいな。
惚けた。