僧帽筋と鍼治療
この話しもとても面白い話しです。
鍼灸師にとって肩井への鍼はよく行われるところだと思います。
私は殆ど刺したことないですが・・・。
それと僧帽筋は薄いというのはよくわかります。7mmだそうですからね。
うっす!!
この話しを聞いて思うのは、それじゃ~僧帽筋の意味ってなに?
ってことだと思います。
少なくとも筋力を出すのが目的ではないと思います。
以前も筋肉の力の出し方というので上腕二頭筋と上腕筋の関係を書いたと思いますが、これとよく似た現象が肩周囲に起こっているのではないかと思います。
つまり表層の筋肉(ここでは僧帽筋)は収縮する為にある筋肉ではなく、腱のように固まって機能する筋肉と言えるのではないかと思います。
表層の筋肉は腱のように突っ張るように縮むだけで、深層の筋肉が盛り上がって働いていることがあるんじゃないかということです。この働きの方が物理的な力を出しやすいと思います。
一つの筋肉がただ収縮するだけで、大きな筋力を出すのは難しく、深層の筋肉が盛り上がって、浅層の筋肉を押し上げることでテコの原理のようなものが働き最大筋力を出す。
ということです。
上腕筋が盛り上がることで肘関節屈曲の機能をあげているのと同じような状態が僧帽筋にもあると考えられます。
だから僧帽筋はペラペラでもなんら問題がないのだと思います。つまり筋肉を鍛えていると言っても僧帽筋の本来の運動特性と、教科書で習ったようなイメージしている運動特性とは大きな開きがあるということだと思います。
こういうこともよく観察していないと、意味を理解することができません。
それなのに教科書で習ってわかったような気になる。
知識というのは、逆のイメージを作ってしまうことも多々あるということを絶対に忘れてはならないということだと思います。
だからこそ基礎研究は絶対に必要です。でも私は、田舎に住んでいるし、ハワイまで行って献体を触らせてもらえることは、これから一生ないと思います。
それだからと卑下している訳ではなく、「今」ここでできることを徹底的にやってみるということが大事なんじゃないかと思います。
事実は、その人の身体が動くか動かないかです。
それ以上でもそれ以下でもありません。