Summarit 5cm f1.5を買った話
Summarit 5cm f1.5
バルナック Ⅲfと一緒に買ったレンズでf1.5と言う明るさと値段の安さに惹かれた
一緒に写っているバルナック Ⅲfは後日記事にする
シュナイダーのクセノン5cm f1.5をベースとして製造されたLeica初の大口径レンズで現在では珠玉のクセ玉として名高い
元々はZEISSのSonnarに対抗するためにシュナイダーから技術提供を受けて完成したクセノンをライカ名でリニューアルさせたのがこのSummarit 5cm f1.5でSummiluxのご先祖様になる
現在ではf2.4クラスのレンズに名付けられる銘だが、ルーツはここにある
絞り羽は15枚で綺麗な丸ボケが得られる
無限遠ロック機構も搭載されている
1949年から1959年まで製造されたレンズ
当時はまだ職人が1枚1枚レンズを研磨していた時代
構成は5群7枚のダブルガウスタイプ
前玉に使われている硝材が非常に柔らかく、傷つきやすいので注意が必要
鏡筒は 真鍮製で重さは300g
フードは8角形の角形フード
純正は手に入らなかったので、ワルツ社製の互換品を入手した
激しいフレア、ゴースト、ソフトフォーカスが発生するレンズで現在では考えられない環境下でも発生する
しかしながらその描写は柔らかく、
光源の滲みが絶妙なトーンで表現され、味のある描写になるが、実はしっかりと質感を捉えて描写している
状態の良い個体であればしっかりと解像して写る
F4以降は別物のレンズに化ける、THE オールドレンズって感じ
令和元年の現在において、オールドレンズはお洒落な写真加工アプリのフィルターの様な扱いで、むしろ収差を楽しむ様な需要がある
このレンズも然り、盛大に発生するゴーストやフレア、通称グルグルボケなどは写真本来の要素にとって邪魔である存在だ、
記録装置ならより高画質に、より鮮明に記録できた方が理にかなっており、表現としての写真であればその収差が自分の意図する部分に対して合理的ばアプローチでなければならない
「ゴーストやフレアが出てしまった」と「ゴーストやフレアを出した」では大違いなのだ
「被写体に写真を撮らされた」と「被写体を撮った」
でも同様であり、カメラやレンズは被写体を撮影する道具に過ぎない
このレンズはSNSで伸びそうな(ソレっぽくなりそうな)要素を多く含んでいる
要注意
以下はLeica M10で撮影した写真
↑意図すればここまでゴーストが発生する
これを作品に落とし込む作業は難しい