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TURTLE MARKETING ACADEMY

122.アマゾンは「パレートの法則」を逆手にとって成功

2019.07.06 13:09

流通チャネル別の売上状況をみると、ネット販売による通販市場が成長しています。2018年度は前年比+8.4% であったが、その中で一位のアマゾンが前年比+13.6%で市場全体よりも高い成長を示しています。特に、アマゾンは本業である書籍で大きく他企業を引きはなしています。アマゾンの成功の要因の一つが、絶版になった書籍や中古書籍なども即座に入手できることです。全国に展開するアマゾンの大型倉庫に多くの書籍が保管され、あらゆる注文に応じています。

旧来の書店は「パレートの法則」に基づき、人気のある「売れる書籍」だけを店頭に並べるだけで、売り上げの低い書籍は効率が悪いので在庫を持たずに取り寄せるので、顧客の手元に届くには随分と時間がかかります。アマゾンの物流システムこそが、アマゾンが他者の追随を許さない絶対的な優位性の理由です。

Y軸に売上数、X軸に左から右に売上順に書籍を並べ曲線を描きます。全体書籍数の上位20%にあたる書籍が左側に高位にプロットされ、残りの80%の売れない書籍が右側へ長くなだらかに伸びる曲線となって描かれます。この状態をグラフの形状が恐竜の尻尾に似ていることから「ロングテール」と呼びますが、ロングテールに入る製品は売れ行きが悪い80%の書籍で、ITの登場以前では本屋では取扱われずに無視された日陰の存在でした。それが、ITの進化により検索が可能になり、急に日の当たる場所に現れてきました。アマゾンの成功要因は、まさしく、「パレートの法則」を逆手にとった戦略でした。