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nessseas

右のwb(1~2)

2013.02.01 01:13

Suite KooDoo
#06 〔右のwb/1〕

※wb=ウィークバレット。レンジャーの最重要スキル。当てたエネミーの部位の防御力を低下させる。部位ザルアのようなもの(PSO2にはザルアないのです)


2012年12月

ログオンしたら同じブロックに行き、無言でPT申請する/されるのが当たり前になってきた頃、彼女が、一人のキャストをチームに勧誘した。

レンジャーメインの仕事人らしい。

彼女はいつも一人で居て、他の人と話している素振りもなかったので、彼女が誰かを、しかもこんなチームに勧誘?と、びっくりした記憶がある。

そして以後は、おれと彼女と、そのキャスト、3人で居ることが多くなった。


―そのキャストを、以後はRと表記する。 


おれと彼女はガンナー、Rがレンジャー。

ガンナーというのは我侭なクラスで、殆どがサブクラスはレンジャーにしているから、自分でライフルを装備し、ウィークバレット(以後wbと表記)を撃てる。

撃てるのだけれども、wbを装填してしまうと、ツインマシンガンを装備してのチェイントリガー(連続攻撃後、必殺技を決めるとフィニッシュ倍率が最大500%にもなる、ガンナーの肝)が決められない。

なのでガンナーはwbを自分で撃つよりも、他人に撃ってもらいたがっている。

そしてRは、おれと彼女というふたりのガンナーの望みを叶える存在であった。

ボス敵が動き始めるより早く、Rはそれにwbを当てていたし、俺と彼女がチェイントリガーを開始した箇所に、Rは上手くwbを撃ってくれてた。

それだけで、ガンナーは、当時はちゃんと仕事をこなせていたのだ。 


・・・


#07 〔右のwb/2〕

2013年1月下旬

彼女がいなくなって。おれとR、二人だけになった。 

* キャストは普段のパーツ型の他、人型にもなれる。
作った時その事を知らなかったので光導の顔の造形はデフォルトである。


彼女がちゃんと動いている間は、二人で話した事はあまりなかった。

一緒にパーティ組むときには、おれと彼女が居るとこに、彼女がRを呼んでたし、それ以上必要としなかったし、されなかったし。

そんな間柄だったけれども、彼女があまり動かなくなってからも、なんとなくおれとRは一緒に居た気がする。

最初は何となくぎこちなかったけれど、なんでかいつのまにか、一緒のブロックに居て、なんでかいつのまにか、PT組んでて、一緒にやってみるとやっぱり、いつもの通りに息が合って。

今日も彼女は離席がちなのかな、なんて話していると、いつのまにか仲良くなってた。


最初は、Rのことを、なんだこいつ、と思っていた。

初めてPT組んだのは、走破だった気がする。

彼女がいきなり連れてきて、Rちゃんは頭いいから一回で覚えるから教えてやって、と言われて。

彼女にそんなに気に入られる奴って何者だと、なんだこいつ、と・・・

メインカラー黒、サブカラー紫、差し色赤。

なんかいかにも男の人のカラーリングのキャスト…というのが第一印象だった。

彼女とおれが二人で話していると、話がどんどん暗い方向になっていっているのを、さっくりあっさり止めてくれるような、そんな、おれとは対照的な奴だった。


朝から夜までずっと三人で居た気がする。

DF実装以降、チームの人数は毎日増えていたものの、ロビーや野良での適当な呼びかけに応じて入るような人とはなかなかプレイスタイルが合わず、「自分と彼女とR」と、それ以外という感じであった。

今思い返すと、その期間は、とても短かったのだなあ…


年が明けてすぐぐらいで、Rは夜中はほぼ落ちるようになってた。

ストッパーを失って、夜中、おれと彼女の会話は、ひたすら真っ暗になっていったような気がしてならない。

更に悪いことに、夜中のDFで、口の悪い連中と一緒になってしまい、彼女がひどく傷つくのを目の当たりにしてしまった。

そういった事が、彼女がPSO2を離れる原因になったのかも…と思わずには居られなかった。


「ログオンコールをONにしてたら、(彼女)きてたな

緊急中でなにもできないあいだにおちてた」

『FUN取りに来てるのかな まぁ無事なんですねw

なら暇になったら復帰してくれる・・かな』

「わからない

おれが嫌われてないことを信じたいものだ」

『そんなことはないでしょうw』

「どうだろうwそれでこなくなったんじゃ、とか。」

『むしろ一人嫌いになったくらいじゃやめないでしょうw』

「まあ、そうか 有難う」

『別に無理にPT組んでたわけでもないですしねw』

「そね」


そして彼女を失って、それまで良い感じだったバランスが崩れていったような気がする。

チームに入るまでは、一人で居ることが当たり前だったから、寂しくなかった。

なのに何時の間にかPTでプレイすることが当たり前になっていて、

一番側に居てくれた彼女が居ない事が寂しくて、夜誰も居ない事が寂しくて。


2013年1月23日

レベルキャップ開放(lv55)


「…今日も(彼女)来なかったな」

『うんうん・・あんなにイン率高かったのにいきなり消えると気になる・・』

「消えるときは、そんなもんだ。それに消える前数日は、そんな感じはしていたからな」

『まじかぁ・・』

「Rまで、いなくなるなよ」

『はいー突然は消えませんよw』

「おれはお別れなんて言えないだろうけど、許してほしい。まあ、しばらくは多分ない」

『あいw

でも前のネトゲは2年くらいやってたのに いつの間にかやめてたなぁ

・・なんでやめたか覚えてない

飽きたらそんなものなのかもですねぇ』

「そうかもしれんね」


彼女を失って、Rまで居なくなったら、おれは一体どうなってしまうんだろう?

そう思ってしまうと、悲しくて、寂しくて。


けれど、Rは春から新社会人で、リアルに帰ってしまう。

そのことは知ってた。

すごく寂しかったけれど、仕方が無いことだと思っていた。

2013年2月2日

バレンタイン緊急前。4人でシップ待機してた時。


「ずっとおれのwbになって」

なにかがきっかけで、ぽろっと言ってしまったこの言葉に

『なりますよw』

Rはふつうに、そう答えてくれた。


―だから彼は、おれのwbになった。


彼がwbを撃ってくれる限り、おれが彼を護り、火力になるのだと。

そして、側に居られるだけ居られればいい。そう思っていた。


「…誓いのままに。

おれは其方の火力。其方の盾。

共に、戦おう。」

(光導、クエスト開始時のオートワード) 




2013年2月

初めてアブダクションをクリア。


アブダクションとは、走破演習を開始しようとすると、一定確率で突然始まるクエストで、ダーカーうじゃうじゃなステージに拉致されてしまうというものだ。

最大侵食レアボスが居る上、クリアすれば、以後シングルパーティエリアにはたまに、自分等のクローンが出現する。倒すと、クローンしか持っていない珍しいオプションがついた武器を落とす(高く売れる)。

走破は金が稼げるから、できるだけ毎日やってた。

彼女が居る頃から、いつアブダクションされても良いように、クローンに言わせて面白いオートワードをいれていたりしていたのだけれど、全然こないまま、彼女はいなくなってしまっていた。


そんな頃、チームで一人、走破演習ナベリウスⅡ(ナベⅡ)好きのにゅま子Fo(いつもラッピースーツを着ている)の方が居て。

過程で拉致られて途中で死んでいるので、クリアしたい、という話を聞いた。

いつでも拉致られていいようにと、しばらく、おれとRとにゅま子さん、3人+αでナベⅡしたり、マイザーしたり。

そして甲斐あって、この日、前述3人とソラで、クリアすることができた。

クリアできたことも嬉しかったけれど、なにより、この面子で居られたことが一番、嬉しかった。

これの少し後(2/6)、この面子で、ナベⅡ6分切ったりもした。良い思い出。

おれはまだガンナーだったな。


思い返すと、自分のPSO2ライフは、この頃までが一番幸せだった。そんな気がする。