長崎 波佐見 ・Jazz Spot Doug(ダグ) ⑤19/06【祝!30周年&記念ライブVol.2 鈴木良雄トリオ】
長崎・波佐見のJazz Spot Doug(ダグ)さんがこの6月で、無事30周年を迎えられました。
30年という長きにわたりジャズの灯をともし続けられたこと自体、場所がどこであれスゴいことですが、その場所が長崎と佐賀の県境にある陶器の町 波佐見!
周りに何もないこの地だけに、本当に頭が下がります。
また、この波佐見公会堂という文化遺産の保存にご尽力されたこと。
更には会長として九州ジャズ・ユニオン(注)を毎年開催されてこられたこと。
こんな超個性派揃いのジャズ☆スポットのマスター/ママ達やその常連さん達を集めるなんて、常人の考えることでもなければ、ましてや出来ることでもありません。笑
こうして積み重ねて来られた輝かしい歴史に、マスターだけでなく、その仲間、常連の皆様にお祝いの気持ちを伝えたいと思い、その記念ライブに行ってきました。
今回行われたのは、その第2弾。嵐が近づいていたので、一時は開催自体も危ぶまれたようでしたが、神様の粋な計らいでしょうか?このライブの時間帯は雨風も少し弱まり、店内満員の40人強のお客様。
このお店のライブはいつも満員と聞いていましたが、この波佐見の地に一体どこから集まるのか、しかも皆さん、ノリも良く、実際目の当たりにして改めて感心してしまいました。
そして肝心のミュージシャンは、鈴木良雄さん(ds)と山本剛さん(p)というこれまでに何度も聴かせていただいた超定番DUOに、ドラムの守(モリ)新治さんが加わった大ベテラン達のトリオ。
実はこのメンバーがトリオでやるのは初めて、とおっしゃるのですが、その連携ぶりと調和ぶりはとてもそうは思えない見事なもの。聴かせ所はたっぷり聴かせ、笑いを織り交ぜながらも要所要所はしっかり締め、盛り上がる所ではしっかり魅せつける等、百戦錬磨の実力派ミュージシャン達がその魅力をいかんなく発揮。
中でも「新治、すごいよね。こっちの二人はいつもやっているからいいけど、(初めての曲も含め)ノーリハでよくこれだけやれるよね」と途中のMCで鈴木さんがおっしゃった一言が、まさにこのライブのキモを言い表したお言葉。
いつもDUOで演奏し、手の内を知り尽くしている鈴木さんと山本さんがいつになく、ともかく楽しそう。。。このどこまでも合わせてくる手練れのドラマーをどうやって慌てさせるか?とか、どこで笑わせてやろうか?とか、こんなイタズラっぽいアイコンタクトを取ったりしながら色んなことを企てる二人。
まぁ、やることなすこと、うまくいこうがいくまいが、楽しいこと楽しいこと。熱気に溢れた会場のお客さんを完全に手玉に取る素晴らしいライブ!
そんな中、少ない音数でも説得力のあるソロで場内を唸らせた鈴木さん。
また曲間のMCも冴えわたり、温かい笑いも満載。「山本剛と言えばこの曲、この曲と言えば、山本剛。次はお待ちかね、ベサメ・ムーチョ!」とのコールには客席大爆笑。
山本さんもズッコケた態勢のままでベサメ・ムーチョのピアノ・ソロを始められたのですが、どこをどう展開させたらこうなったのか、いつの間にか美しいミスティの旋律が?!
その他にも、柔らかくトロけるような美音でうっとりさせたかと思うと、思わず吹き出してしまうような茶化したアドリブをシレっと展開する等、変幻自在の山本さん。
メロディの最後を明らかに1音弾き間違えた時も、そのメロディが戻ってきた時にはその音を必ずリフレイン。。。熟練のジャズを堪能させていただきました。
そして何より守さん。。。この方はマスターの川釣りの弟弟子【前回(注2)参照】でもあり、このお店で何度もそのお名前とライブ録音を聴かせていただき、是非聴きたかったドラマー。
この日は終始、音量を抑え目にピアノとベースを引き立てる素晴らしいサポートに徹しておられたのですが、それだけに最後のキャラバンでの全開のソロは衝撃的。音数は決して多くありませんでしたが、その腹にずっしり響く音、キックドラムの連打。もう鳥肌もの。
それにしても、楽しい時間が過ぎ去るのは何と早いことか。大きな拍手と共にアンコールも終了。
鈴木さんからマスターへ「あと30年頑張って!」とエールが贈られ、感激の面持ちのマスターに会場中のみんなが笑顔。大拍手。
その後、天候が悪くなったこともあり、打ち上げには参加出来ず残念でしたが、聴けて良かった、来て良かったと大満足の30周年記念ライブでした。
マスター、本当にあと30年、頑張ってくださいね!
【駐車場:有、喫煙:可】
<追記>
この日GETしたお宝。
鈴木さんのジャズ・ミュージシャン視点のジャズ名盤紹介本。。。色んな人の推薦盤のアンケート結果もついていて、とても面白いです。
山本さんのアルバムはお買い得トリオ2枚組。。。演奏もさることながら、レーベルがVENUSだけに優秀録音であることもウリ。
最後は守さんのアルバムですが、あの澤野工房さんのアルバムで大ブレークした名ピアニスト シャフラノフさん達を迎えての2枚組ですが、ライブ盤ならでは緊張感も聴きもの。
あと帰る間際のこと、思いも寄らないサプライズが。。。戸井三千男氏のジャズ・ミュージシャンの版画をプレゼントする等、長崎の老舗ジャズ・バー マイルストーンさんを強力にご支援されておられる常連さんとご挨拶することが出来ました!
一度お会いしたかった方だっただけにともかく嬉しかったのですが、何故ここで?どうやって見つけていただいた?等々、謎は残りますが。。。いずれにせよ、あちらこちら巡っていると本当に有難い縁に恵まれるものだと改めて感謝した次第です。
(注)これまでのKJU(九州ジャズユニオン)の歴史です。【KJU事務局発行資料より抜粋、( )内は参加者数】
第1回嬉野温泉鯉登苑(13名)、第2回大牟田JazzClub主催:道楽堂(27名)、第3回中津JazzFunClub主催:ぐる〜びぃ(33名)、第4回宮崎ライフタイム主催:ライフタイム(35名)、第5回鹿児島パノニカ主催:パノニカ(35名)、第6回阿蘇JazzClub主催:小国・木魂館(38名)、第7回長崎グッディ主催:グッディ(40名)、第8回小郡JazzClub主催:暖家(37名)、第9回川内ハイカラ主催:ハイカラ(32名)、第10回伊万里JazzClub主催:嬉野和多屋(63名)、第11回久留米JazzClub主催:フォービート(65名)、第12回田川JazzClub主催:ダイヤモンドムーン(82名)、第13回山口ポルシェ主催:ポルシェ(77名)、第14回阿蘇JazzClub主催:山頭火(65名)、第15回佐世保JazzFunClub主催:レオプラザホテル(70名)、第16回伊万里JazzClub主催:グラスホッパー(55名)、第17回熊本JazzClub主催:アフロブルー(76名)、第18回串木野パラゴン主催:パラゴン(53名)、第19回大分JazzClub主催:ブリックブロック(90名)、第20回伊万里JazzClub主催:嬉野和多屋(96名)、第21回福岡リバーサイド主催:ゲイツ7(98名)、第22回朝倉・古処主催:古処(68名)、第23回佐賀シネマテーク主催:浪漫座(89名)、第24回山口ポルシェ主催:ホテル寿(61名)、第25回長崎JazzClub主催:出島テラス(77名)、第26回宮崎ライフタイム主催:ホテルメリージュ(50名)、第27回田川JazzClub主催:ダイヤモンドムーン(63名)、第28回阿蘇ジャズクラブ主催:山頭火(約80人)
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