大航海時代13-コロンブスが持ち帰った梅毒
2019.07.12 00:23
1496年6月11日、コロンブスは新大陸から再びカディスに到着した。船には225人の帰還者と25人の先住民が乗っていた。酷い航海で、食糧がなく、先住民の何人かは途中で死んでいた。そして新大陸からは、黄金やインコなどと共にやっかいなものも持ってきた。すなわち梅毒である。
この病気はその後世界に蔓延し、1512年には東の果ての日本に上陸する。もっともヨーロッパからアメリカへは天然痘などの病気が持ち込まれており、先住民を殺した大きな原因は、この疫病だったようだ。
さらにコロンブスは、第2回航海中に現地で対立した先住民を奴隷として本国に送っていた。当時奴隷は、異教徒の戦争捕虜は認められていた。そこで両王は、そのうちで戦争をしていた者のみを奴隷とすることを認めた。だが、彼らは慣れぬ異国で余り長く生きれなかったようだ。
しかしアメリカでは、もう先住民は勝手に奴隷にされていた。この先住民の扱いについてはこの後非常に苦慮することとなる。そしてとりあえずまともな宣教師を送らねばと思った。その頃、コロンブスの帰港をあこがれの目で見ていた少年が居る。やがて大陸へ渡り、植民を告発し、先住民の人権を認める中心人物となるバルトロメオ・ラス・カサスである。