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ぴあのclub Crescend

頑張り抜く力

2019.07.14 23:00

ここのところ、周りで引きこもりの高校生の相談をよく受けます。

だいたい聞き分けのよかった(と親が思っていた)子が、大人の階段を上り始め、エネルギーを外に発散できずに、内にこもっていくのをみていると、いろんなことを思います。

反抗期とか、グレるとかも困りものですが、引きこもることの方が、自分以外の他者から影響を受けるチャンスが減るので、辛そうに見えます。


心理学の講座に通っていた頃、

「ストレス耐性」という言葉をよく聞きました。

ストレスに対処できる力を少しずつ身につけるということです。


気に入らないこと、気に入らない人に出くわさずに生きることなんてまず不可能で、

それにどう対処するか、どう受け止めるか、どう凌いでいくか、

それを、小さい頃から少しずつ鍛えることが大事だということです。



私は我が子に対しても頑張りの効かないのは使いもんにならんと、言ってきました。

教え子に対してもその考えは実は貫きたいところではあります。


学校教育での成績主義の場合、

成績の良い子、もともと頭のいい子にとっては、頑張らなくてもそこそこの成績が取れたりするし、

ピアノでも運動でも、才能のある子は頑張らなくても、簡単に器用にいろんなことができたりします。

そつなくまあまあやってれば、誰からも何も求められない場合が多いです。

一見聞き分けが良く理解力が高い子どもの場合、まあまあのところで、ほどほどに生きることが可能なわけです。

生きるか死ぬかのような辛い経験をしたり、飲まず食わずの苦しい経験したりも、今の時代はほとんどありません。

なんとなくまあまあでも生きていける時代です。

娘の話を聞いていても、

時々、ストレス探しをしてるんじゃないかと思うくらいくだらないことに不平不満を言う時もあります。

ピアノの講師をしていて、

縁あって私のところに習いにきてくれている子供達には、

ピアノという手段を通じて、頑張る経験をして欲しいと思っています。

今、発表会まであと一週間を切るラストスパートの時期に来ています。

基本的に弾きたい曲を選んだ子どもたちは、弾けるようになりたくて取り組んできて、思ったようにいかない壁にぶち当たることがあります。

そこで、励まして、手伝って、頑張り切る経験をさせるのが私の役割だと思っています。

子どもにだってプライドがあります。本番で恥をかきたくないというモチベーションもあります。

また、好きな音楽だからこそ、思いを音にしたい、こんな風に表現したいのにできないという歯がゆさもあります。

弾きたいと思った曲が、思いの外、難しく悪戦苦闘している子もいます。

その、苦しい今の頑張りをやり抜くことが、

ストレスに対処する自分の内側との対話のいい経験になるのです。


他者との関係の中から起こるものではなく、

自分の欲求の中から起こる、


思ったようにならないことを

なんとかしようとする


うまくいかないことを、考えて工夫してクリアする頑張りが、

小さなストレス耐性を身につけることにつながり

その繰り返しによって、

たくましく育っていくのだと思います。



先日、教え子が

思ったようにいってない、できるようにならないんじゃないか

という心の声がダダ漏れな日がありました。

その日のレッスンで、

この曲ほんとにいい曲やね、と、ここが聴かせどころというたくさんの箇所を弾いて聴かせ、ここをこんな風に弾けると素敵やね、と、たくさんたくさん一緒に再確認をし、

ちゃんと弾こうとか、間違わずに弾こうとか、確かに大事なことだけれど、

それに囚われてしまって、素敵やと思う気持ちを忘れたらあかん、

その素敵さを伝えたいと思って、あとちょっと、きっとできるから、少々まちがってもいいから、気持ちが伝わる演奏をしよう、と励ましました。


あなたはもっと心の中に思ってるものがあるでしょ?


と声をかけたら、首を何回も縦に振るので、

思ってることとできることに今は差があるんだなぁと思い、でも、

心の中にあるものを形にしたいと思って頑張りたいという、やる気の火はつけられたかなぁと感じました。

奮い立つ頑張りたい気持ちを呼び起こすことをいつも心がけて指導をしています。




成績が良くなりたいとか、いい学校へ行きたいとか、お行儀良くしたいとか、親の言う通りにしたいとか、

思っている子は少ないのではないでしょうか?やらなければならないことだからやってるに過ぎないと思います。

でも、何か、頑張りたいものに対して、精一杯頑張った経験を持つ子供はたくましいように思います。

しなやかなストレス耐性を身につけて、たくましく

出来事や人との出会いを、楽しめる人生を送って欲しいと子どもたちには願わずにいられません。


今のピアノの頑張りがその礎の一つになりますように。