所信表明

　私がお客様に提供する治療法に出会ったのは8年程前、東京に住んでいる頃でした。当時、私自身は会社員として、一家の父として、日々生活する中で色々な身体の不調に悩まされていました。主に肩こりや背中の張りなどが自覚意識としてありました。治療院に伺ったのは、同じ会社で働く先輩からの勧めだったと覚えています。

　初診の時の印象は、正直「よくわからない」というものでした。痛みを感じている箇所に触ることもなく、何をどうしているのかさっぱり理解出来ませんが、なぜか症状が無くなる。痛みが消える事もそうですが、頭の中のモヤが取れて視界がはっきりするような感覚に驚いた事を覚えています。

　自分自身、理屈で物事を理解するタイプでしたので、もちろん受診の際に都度説明を求めていましたが、私の理解が足りないのか、先生の住んでいる世界が違うのか（笑）本当に腹落ちして納得することは中々出来ずにいました。しかし、受診後間違いなく改善する、という事実は疑いようもなく、その後長きに渡って通い続けることになります。

　時は流れて2019年初頭。通っていた治療院にて以前から提供されている治療法を学べるセミナーにふと参加する気になりました。大阪から通うことになりますので、時間も費用もそれなりに負担になるため奥さんに相談しましたが、彼女自身も元々一緒に患者として通ったことが経験としてあったためか、快くOKを貰うことが出来ました。本当に有り難い。

　セミナーでは基本理論の説明を受けた後、セミナー参加者同士でいきなり実践という、中々スパルタな方法で、最初は自分でも上手く出来るのか本当に不安でした。気を入れるという感覚、足りないという感覚、充足したという感覚をどう捉えれば良いのかが自分の中で決められず、不安は雑念となり、正直上手く出来たという満足感はあまりありませんでした。

　1回目の受講後、生来凝り性な性格が後押しし、まずは自分自身に対して気を入れる作業に毎日取り組んでみました。不思議なことに、日々実践を続ける中でセミナーの時に感じた課題については、ひとつひとつ「こう感じるんだ」「こう捉えればいいんだ」という気付きが訪れ、それは自信となっていきました。やがて自分自身だけではなく、家族や親族、友人に実験台（笑）になって貰い、その自信の裏付けを積み上げていくことが出来たのです。付き合って頂いた皆さんに感謝。

　当初、自分自身で施術が出来るようになりたかったのは、これを会得すれば、手の届く大切な人たちの不調を癒せる事が出来、それは一生に渡って良い影響を与える事が出来るだろう、と思ったからです。その基本的な思いは今でも変わりませんが、より強くなっています。万人全ての人に提供することは現実的に無理ですが、縁ある人の幸せな毎日と人生のために、私がお役に立てるならば、こんなにうれしいことはありません。その縁を取り持つ場として、今回ひふみ庵を立ち上げることにしました。

　現在は自分一人で暗中模索しながらの立ち上げですので、色々と試行錯誤しています。治療行為のみに拘らず、色々な形（プロジェクト）で皆様に関われるような事が出来たらいいなと考えています。ぜひ、よろしくお願い申し上げます。

　出会いに感謝