資生堂スタイル
2019.07.02 10:49
明治維新から間もない1872年(明治5年)、西洋医学を学んだ創業者・福原有信は民間では日本初の洋風調剤薬局として、東京・銀座に資生堂を開業しました。薬の製造販売からスタートし、人をより美しくする化粧品販売、さらに美しく心地よい価値を模索する新たな事業へと、資生堂は「美」の追求を創業の時代から今日まで続けている稀有な企業といえます。
明治・大正・昭和を通し、資生堂が化粧品事業を発展させていく理念は、一貫して「より美しいものの追求」でした。1916年には社内に意匠部を設置、当時の日本の代表的なデザイナーたちの、時代の美意識を創りだそうとする意志とともに進化し、アール・ヌーヴォー、アール・デコの様式を取り入れながら、次第に「資生堂スタイル」を完成させていきます。
和文欧文ロゴタイプ、唐草紋様に加え、資生堂の企業イメージを印象づけてきたのはイラストレーション表現。戦前戦後を通じて、イラストレーションによる広告制作の中心的存在は山名文夫でした。余白を生かし、流れるような繊細な線で女性を描き、モダンで洗練された企業イメージを創りあげていったのです。