「宇田川源流」 民主主義化を拒む習近平共産党政権の「国際公約破り」と中国人と思っていない香港人の対立
「宇田川源流」 民主主義化を拒む習近平共産党政権の「国際公約破り」と中国人と思っていない香港人の対立
今週も参議院選挙の影響で、基本的に日本の政治に関することはあえて書かないことにする。
というよりは、選挙に関しては、有料メルマガ「宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話」(https://www.mag2.com/m/0001647155.html)で書いているので、そちらに譲ることにする。まあ、有料メルマガの宣伝もかねて、あえて政治に関することはやめておくことにしたい。一方、今回の選挙に関しては与党堅調というような感じになっているが、実際のところ「与党が勝った」のではなく、「野党が負けただけ」という選挙であることは先に宣言しておく。まあ、「負けた」と断定で書くのはいかがかと思うが、実際に、負けただけではなく、その後の影響も大きな状況になってくるのではないかという気がしてならない。
まあ、その「参議院選挙で負けた後の野党の人々がどうなるか」ということも、有料メルマガの7月29日の発刊号でしっかりと書いておこうと思うので、その内容を、有料メルマガを申し込んでみていただいたらよいのではないか。
さて、その「立憲民主党」と「国民民主党」そして「自由党」は、いずれももともとは「民主党」という政党であった。さて政治の話をしないので、あえて話を外して今日の主題の方に向けることにしよう。その民主党は、中国共産党と非常に仲が良く、特にまだ国家副主席の時代の習近平を無理やり当時の天皇陛下(現在の上皇陛下)に面会させている。その時に小沢一郎幹事長(当時。民主党幹事長)は、「天皇陛下の気持ちを忖度して」という単語を使ったのである、このことに反発は非常に大きくあったことを、最近の安倍首相に対する「忖度」という言葉とともになんとなく思い出すものである。
警官隊、市民に催涙スプレー 香港デモ 黒服11万人超 街埋め尽くす
香港で「逃亡犯条例」改正案の「完全撤回」などを求めるデモが14日、再び行われ、約11万5000人(主催者発表)の市民が道路を埋め尽くした。香港メディアによると、警官隊と一部の市民が衝突し、警官側が催涙スプレーを浴びせた。今後、毎週末に各地でデモが行われる予定で、運動は長期化しそうだ。
14日のデモは郊外の沙田地区であった。多くが運動のイメージカラーとなった黒色のシャツなどを身に着けて参加。「悪法を撤回しろ」などと叫びながら行進した。民主的な選挙制度の実現なども訴えた。
14日には香港記者協会などメディア団体の会員らも黒色の服装でデモを行った。記者らは「警官が記者らにも暴力を振るった」と当局を批判。約1500人が「報道の自由を守れ」などと訴えながら行進した。
一方、13日には中国本土との境界近くで、香港で日用品を大量購入して中国本土で転売する「運び屋」への抗議デモも起きており、香港のデモは反中抗議活動へと広がりを見せ始めている。13日も警官と一部の市民が衝突し、けが人が出た。警察は違法集会などの容疑で数人の身柄を拘束した。【台北・福岡静哉】
毎日新聞2019年07月14日19時30分
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20190714k0000m030205000c?fm=topics
香港で大規模デモ、約11万5000人が参加
逃亡犯条例の改正案の完全撤回などを求めるデモが続く香港で、一部のデモ参加者が道路を占拠し、およそ40人が拘束されたと香港メディアが報じました。
香港から中国本土に刑事事件の容疑者を引き渡すことを可能にする逃亡犯条例の改正案に対する抗議デモは14日、香港の郊外で行われ、主催者発表でおよそ11万5000人が参加しました。
このなかで、警察と一部のデモ参加者が衝突し、警察側が催涙スプレーを浴びせました。また、デモ終了後には一部の参加者が車道を占拠したため、香港メディアは15日、警察がおよそ40人を拘束したと報じています。
一方、イギリスのフィナンシャル・タイムズは、香港政府トップの林鄭月娥行政長官が、ここ数週間の間に中国政府に辞任する意向を伝え拒否されたと報じました。中国側は、混乱を収拾するために職にとどまるよう求めたということです。(15日11:30)
2019年07月15日 04時20分 TBS
https://news.nifty.com/article/world/worldall/12198-340049/
このようなことを考えたことがあるだろうか。「習近平政権はなぜ嫌われるのか?」
多くの人にこのことを聞く場合、「中華人民共和国だから」または「共産党だから」「共産主義だから」というような答えが出て来る。しかし、それは何かが違う。そのような理由ならば、その前の胡錦涛も、江沢民もみな嫌われているし、また、その程度は三人とも同じになるはずである。しかし、実際のところを考えれば、中国共産党内部の対立に関して、旧太子党である江沢民派や共産党青年団(団派)の胡錦涛派と、新興勢力である習近平の派閥とは、明らかに日本国内で人気の出方が違う。というよりは習近平になって明らかに中国に対する警戒感が強くなった気がするのである。
一つには科学技術の問題がある。中国では技術が徐々に伸長し、そのことによって今ちょうど軍事が拡張しているところであり、そのために中国に対する警戒感が非常に大きいということが挙げられる。もう一つには経済的な問題が挙げられる。つまり、改革開放経済が大きく進み、日本のGDPを超えるという状況になった。そのことで日本との間にひずみが大きく生まれたことは間違いがない。他にも中国人のマナーの悪化や、中国人が日本人の譲り際の精神などを関係なく爆買いなどといって買いあさっていることもある。
また、日本人の嫌いなマスコミが中国に忖度しているという現実があり、そのことが基本的には、日本国民の癇に障ることになる。また、民主党政権が「悪夢」であると考えている人が多くその民主党政権が親しかった政権に対して、日本人は怒りを感じている。そのうえで、アメリカのトランプ政権が習近平政権に対して対立し強硬な状況にあるということもそれらの理由を助長する大きな理由になっている。
しかし、もっとも大きな理由は「民主主義ではない」つまり「政治も経済も安定性がなくまた将来に不安を抱えている」ということが挙げられる。
民俗学的には、「境界論」という考え方がある。日本人は、境界線上にある不安定な状態に不安を感じストレスを感じるという。大学受験などで、完全に点数も偏差値も足りない生徒は、残念ながら、不安を感じることはなく、すでにその状態で次の進路を模索できる。不安定である人間が合格発表に対して、非常に大きな不安を感じ、ストレスを感じることになるのだ。
さて、その「境界的な不安感」が最も大きいのが、「香港人」である。日本の場合は、独立した主権国家であるが香港の場合は「一国二制度」というような中途半端な状態であるものの、共産党政権下の制度と法律にある。つまり、放置しておけば、香港は中国共産党政権下に入ってしまう。まさに最もストレスを感じる「境界論的状況」という「一国二制度」になる。その人間たちは、当然に、共産党政権に入らないようにすることを考え、そのような兆候が起きた場合に、もっとも大きく抵抗することになるのである。
今回の大規模デモはまさにそのものである。そして、警察や軍隊、政治権力によってだされることは、そのまま「共産党の権力下に入る」ことであり、そのことが最も許せないというような状況になるということになる。
この辺の陰謀論は、有料メルマガの中でそのうちやろうと思っているものの、実際に香港人の方が、チベットやウイグルよりも激しい抵抗を感じているし、また、天安門事件以来の民主化運動家よりも大きな抵抗になっている。ちょうど天安門事件の時のような「過渡期」に入っていて、その中で共産党政権が動かそうとしている動きの反対側に、向かおうとしているのではないかという気がするのである。その流れに対する抵抗であるから通常のデモよりも大きくなるのではないか。
さて、「習近平政権を嫌い」ということでは、アメリカも日本もそうであるが、同時に「台湾」も同じ状況にある。そのように考えた場合、その共通性をもって協力する、少なくともその行動を理解するのか、あるいは、その方向性の同一性を認識しながら、違いを強調して突き放すのか。日本はその大きな境目にあるのではないかという気がするのである。そしてその選択が将来の日本と中国の関係や、中国と対立する国々との関係を考える大きな指針になるのではないか。