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再生コラーゲン繊維【Luxaire®】

2019.10.04 06:30

こんにちは、株式会社フォーリン HP更新担当野村です。

今回は新素材

「再生コラーゲン繊維」

について紹介していこうと思います。


株式会社カネカさんより新素材のコラーゲン繊維を紹介していただきまして、現在企画を進めている段階です。

このコラーゲン繊維一体どんな繊維になっているのか、順に説明していこうと思います。

最後に簡単なまとめをしておりますので、お時間のない方、結論だけ見たい方はページ下部へどうぞ。


このコラーゲン繊維は、アセテート等と同じ半合成繊維に分類されます。

一番の特徴は、非常にしっとりしている肌触りや、柔らかい風合いなのですが、

なかなか伝わらないとおもうので、水分率のデータからしっとり感を確認していきましょう。

20℃/65%RHという標準的な環境における水分率がなんと22%程度もあるのです。

同条件で水分を含みやすい天然繊維をみても、綿の水分率は8%、絹で11%、羊毛でも16%程度しかありません。

この水分との親和性の高さがコラーゲン繊維のしっとり柔らかな風合いの理由なのです。


高い水分率を誇るコラーゲン繊維ですが、吸放湿もしっかり行います。

吸放湿性を図る実験データが下の画像です。(コラーゲン繊維100%で試験を行っております。)

25℃/40%RHの環境下から、25℃/80%RHの環境に移したコラーゲン繊維は、2時間以上吸湿し続け、1グラム当たり100㎎もの吸湿を行います。

その後条件を25℃/40%RHの乾燥した環境に戻すと、放湿をはじめ一時間程度で吸湿した水分をほぼ吐き出します。つまり、環境変化に応じた、優れた吸放湿性能を発揮します。


さてコラーゲン繊維の特徴はこれだけではありません。

コラーゲンを繊維化する過程で使用する溶剤によって下記の3つの効果を持っています。

一つ目が

消臭性

特に汗臭やアンモニア臭にたいして非常に高い消臭性能を発揮します。

アンモニア、イソ吉草酸の臭気の減少率は99%以上で酢酸の減少率も95%とかなりの高水準です。その他硫化水素、ピリジン、トリメチルアミン等の臭気にも効果があります。

アンモニア、酢酸に関しては低混率(コラーゲン14%PET86%)でも消臭効果が期待できます。



二つ目が

抗菌性

コラーゲン繊維が持っている抗菌作用は、従来のような抗菌剤が菌に対して直接作用する抗菌メカニズムではありません。

菌の栄養源となるリン酸を、繊維内のアルミニウムが吸着し、菌の栄養源を奪うことで、菌の増殖を抑えます。

コラーゲン繊維が10%含まれている試料での、抗菌試験の結果が以下の通りです。



静菌活性値が2以上で、殺菌活性値が0以上であれば抗菌効果を認められるので、非常に高い抗菌性能を持っていると言えます。

(2015年に試験が改定されており、静菌活性値と殺菌活性値がなくなり、抗菌活性値へと変わっております。抗菌活性値≒静菌活性値で抗菌活性値が2以上であれば抗菌効果を認められます。)


三つめが

難燃性

燃え続けるために必要な酸素濃度を示すLOI値はなんと36

高難燃のアクリル系繊維のLOI値が33なのでかなり高いことが分かるかと思います。

(コラーゲン繊維100%のデータ)



様々な機能を持っているコラーゲン繊維ですが、長所があれば短所もあります。

湿熱に非常に弱いのです。コラーゲンはタンパク質の一つであるため、熱によって変性してしまいます。したがって高温で処理すると大きく収縮してしまったり、しっとり感や風合いが悪くなってしまったりすることが判明しています。

その他に酸やアルカリ処理も繊維がダメージを受けてしまうので不可能です。


さて水分率とか抗菌性はわかったけれど、コラーゲンに期待するのは

美容効果

そこは一体どうなっているのか。

コラーゲン繊維を不織布にしてフェイスマスクを作成、レーヨンのフェイスマスクとの差を比較しました。


コラーゲン不織布のシートをはがした時の角質水分変化量は800μS程度(μSとは電気伝導率の単位。水分量に比例して変化する電気伝導率を計測することで、水分量の変化を読み取っています。)

レーヨン不織布では700μS程度と、すでにコラーゲン不織布の方が優れていることがわかります。

これだけではなく、シートをはがした後の水分量にも変化が見られます。

レーヨン不織布の方は60分後には0μSになっているのに対し、

コラーゲン不織布は80分経過しても水分量が0μSまで低下していません。


もう一つ試験を行っております。

コットン100%のフェイスマスクと、コラーゲン10%コットン90%のフェイスマスクを比較してみました。


コットン100%のフェイスマスクを外した直後の角質水分変化量は500μS程度でしたが

コラーゲンを10%混ぜたフェイスマスクの角質水分変化量は600μ以上!

また生地をメッシュタイプにしたものはさらに上の700μSまで上昇しています

もちろん持続時間に関しても先ほどと同じように、コラーゲンを10%混ぜたフェイスマスクを使用した際の肌水分の高さは、90分以上維持されました。


これらの試験結果等から考えると、コラーゲン繊維は保持している美容液等を適度に肌に離すことが出来るため、肌のうるおいを長時間持続させることが出来ると考えられます。


長々と説明してしまったので、今一度コラーゲン繊維の特徴をまとめましょう。
1. 20℃湿度65%の時の水分率が22%と非常に多く、しっとりした風合い。
2. アンモニア、酢酸等に対する非常に高い消臭性。
3. 菌の栄養源を枯渇させることによる、抗菌性
4. アクリル系の高難燃繊維にも勝る難燃性
5. 美容液をしっかりと含み、離すことのできる吸放湿性


以上5点が再生コラーゲンの主な特徴となっています。

このしっとりとした手触りの良さはぜひ皆様にも触れて実感していただきたいです。

質問等ございましたら、下記のお問い合わせよりお問い合わせください。

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