旧山中隧道
おそらく福井の道路趣味者の間で、「山中隧道」といったら福井県道207号今条杉津線の旧北陸本線転用の隧道を想像することでしょう。
この山中隧道は超メジャー物件、鉄道趣味の方も道路の趣味の方も訪れる、近県の方にもよく知られたものです。
うちでも旧北陸本線隧道群編にて紹介しています。
しかし今回紹介するのはマイナーな方。
名前は同じですが、いまいち知名度の低い隧道です。
それもそのはず、こっちは完全な廃隧道。
いわゆるオブローダーの間では言われるガチ物件と呼ばれるもの。
こちらの方は現在、お隣を現道である「山中トンネル」が貫いているので、便宜上こう呼んだ方が良いでしょう。
旧山中隧道(きゅうやまなかずいどう)
舞台はまたもや登場のあの国道。
さぁ本編スタート!
この隧道がある道は今回で9回目の登場となる(笑)あの道。
国道365号
こちらも越前町内の隧道です。
現地点は旧織田町ですが、隧道の向こうは旧越前町域。
かつての境界です。
中央に見えているのが現道の山中トンネル。
当然手前に登っていくこの道が旧道です。
目立つ看板が示す通り、現在は「越前西部2号林道(レポ未)」の終点となっています。
ここもなかなか素敵な道なので、またの機会に・・・。
ここが林道と旧道の分かれ道、右に入る道は越前西部3号林道。
正面奥へ入る道が越前西部2号林道。
そして左が・・・。
ぬ~ん
なかなかヤバそうな雰囲気を醸し出す旧道。
しかし前回の八田隧道にしてもここにもしても、なぜか僕のカーナビさんはさも旧道も通れるような感じで表示されています。
誤って突っ込むと・・・、
ここに突っ込みます。
あぶないよ~、カーナビさん。
このミス危ないよ~。
まぁスピードに乗ってこんなとこ走る命知らずはいないでしょうが。
凄いぶれてるのは、結構頑張って突破した証と思ってください(汗。
今後の対策は手ぶれだな・・・。
旧越前岬隧道ほどの密集したマント群落ではありませんが、ここには倒木という厄介者が隠れています。
腰辺りという、くぐるか跳び越えるか悩む、一番絶妙な位置にある倒木。
無論跳び越えましたとも。
路面はこれ以上なく劣化したアスファルト。
苔やら水草やら好湿植物が蔓延っています。
ここから先、僕が最も嫌な事態になっていきます・・・。
こ れ だ も の
しかしわかる人はわかったでしょうが、奥になんか見えている以上、進まないわけにはいかない!
しかもここにきて切り通しの壁から湧水があり、アスファルトの上の盛り土は沼地状態に!
認めるよ、おまえは越前岬隧道より上だ!
お前こそ、越前町内で最悪の廃隧道だ!!
靴の中も外も泥だらけにしながら(車にこういうとき用の長靴あるのに面倒だった・・・)、ようやくその全景を拝めました。
しかし土砂の流入が酷いなこれは・・・。
最接近。
僕はこれ以上近づけませんでした。
なぜか?
この隧道、やたら低いと思いませんか?
これは恐らく阿納坂隧道で見られた自然回帰策の盛り土。
こちらの作業規模はかなり大きく恐らく1~1,5mは盛られているんじゃないかと思います。
洞内の様子はこんな感じです。
見ていただければわかりますが、明らかに土砂が道内に流入していて、小さな川まで出来ています。
実は僕、この時「こんなけ汚れてりゃおんなじだ!」と洞内突破を試みたのですが、1歩踏み出した瞬間、
数10cm足が埋まりました。
これはダメ!絶対ダメ!
こんなところで泥に埋まって抜けれなくなったら、
きっと白骨化するまで見つからない!!
ふ、ここは引いてやるぜ・・・。
なにぶん足下が悪くスペースがないので、満足に引いた絵もとれないのですが、扁額を狙った写真。
風化が進み確認できませんね。
さて、とりあえず戻るか・・・。
おりゃああああ!
はぁはぁはぁ・・・orz
どうにか車へと生還した僕はとりあえず靴と靴下を履き替え、帰路につきました。
何かやり残した感を残して・・・。
ああ!
越前町側坑口撮り忘れた・・・!orz
以上、旧山中隧道編