「Quilts in the Attic」Ati Forberg
もうちょっと前になってしまいますが、当店と名前が似ている絵本作家として紹介したAti Forberg、こちらは「Quilts in the Attic」と言う絵本です。
簡単なバイオグラフィは前回の紹介のときのものをまた載せさせて頂きますね。
Ati Forbergは1925年ドイツ出身、幼い頃に親とアメリカへ移住し活動した画家/絵本作家です。
Atiの父親はあのバウハウスの創設者としても知られるヴァルター・グロピウスです。母親は作曲家グスタフ・マーラーの妻として知られるアルマ(アルマはマーラーの死後グロピウスと結婚するのです)ではなく、グロピウスの2番目の妻との子どもです。
Atiはそんな芸術家の一家で生まれ、あのブラック・マウンテン・カレッジでヨゼフ・アルバース(教え子にはサイ・トゥオンブリやロバート・ラウシェンバーグもいます)に師事しましたが、そのまま純粋な美術/芸術の仕事に入っていくのではなく、子どもの本のイラストレーションの作品に集中し多くの作品を残しました。
この絵本「Quilts in the Attic」はそのまま、「屋根裏部屋のキルト」のお話です。
ある雨の日に、屋根裏部屋に入っていった幼い姉妹が、そこに仕舞われていた大きなキルトを使って、二人で様々に遊ぶ、そんなお話ですね。
姉はキルトをまとって「私は王様!」そう言うと妹も「私も!」
今度は姉は、キルトをはためかせて「私は風!」そう言うと妹も「私も!」
なんでも真似したがる妹をちょっと疎ましく思ったお姉ちゃんが妹に意地悪をすると…。
雨の日に家の中で遊ぶ子どもたちの、大人は知らない秘密の遊び。
直接的な描写はないのですけれど、外で雨が降っているということがなんとなく感じられる、そんな空気がちゃんと描かれているのはすごいことかもしれません。
絵も美しく、オシャレな印象が感じられます。
印刷で色が使われているのはキルトだけで、この手法も、この絵本の独特な空気感を表すのに多大に影響しています。
そのキルトはコラージュで描かれているのですけれど、その使い方もすごいです。
同じパターンでしか無いキルトを、切り貼りすることでそのキルトのシワや動きを表現しているのです。
キルトが主役の絵本ですので、絵本好きの方だけにではなく、そうした作家さんやアパレル関係の方などにもお勧めできる絵本かもしれません。
是非プレゼントにも如何でしょうか。
宜しければオンラインストアでもご覧ください。
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