第2次三重遠征第1弾 武平峠
国道477号
当ブログ認定の近畿三大酷道の一角を担う超大国道。
総距離218kmの路線は迷走し、京都遠征で紹介した「前ヶ畑峠」「百井峠」「途中越」「花脊峠」といった名だたる峠を越え、「百井別れ」や「琵琶湖大橋」といった名所を通過するこの道。
そんな国道477号の最高標高地点は、実はこれらの峠ではありません。
古くから江戸と大阪を結ぶ東海道をはじめとする数々の街道において、箱根の山々と並び称される難所。
鈴鹿山脈(すずかさんみゃく)
岐阜、滋賀、三重の三県にまたがるこの山脈は長く日本を隔てる山脈でした。
現在でも通年通行可能な道路は4本。
国道1号鈴鹿峠
名神高速道路
新名神高速道路
国道421号石榑峠道路
内2本は高速道路、石榑峠道路は2011年の開通ですので、長らく一般道としては国道1号が唯一の手段でした。
鈴鹿山脈の難所っぷりがよくわかるかと思います。
そんな鈴鹿山脈に戦いを挑む一本の道、それこそが今回紹介する国道477号。
その名も「鈴鹿スカイライン」
その実態をご紹介します!
さてここは三重県三重郡菰野町。
国道306号との交差点です。
この時点ではまだまだ町の中。
ここから徐々に登りが始まります。
この付近にあるのが、僕の知る限り最小の道の駅「菰野」。
なんか近所の売店みたい・・・。
いよいよ山道区間に突入する鈴鹿スカイライン。
序章で紹介した通り、この道も残念ながら冬期通行止めの国道の一つです。
ここから先は冬は通れない上部区間。
さぁこっからが本番!!
これはおそらく日本中探してもそうは見られない道路構造物。
正式名称は知りませんが、勝手に名付けるなら「ゴンドラシェッド」とでも呼びましょうか。
そう、この道の上には「御在所ロープウェイ」の索道が通っているのです。
万が一、ゴンドラから人が落下した場合のセーフティネットですね。
しかしゴンドラ自体が落ちてきたら、こんな金網じゃ糞の役にも立たんでしょうが。
ちなみに麓からの区間には旧道が存在します。
なんでも地元では有名な「怪談廃墟ホテル」があるそうですが、僕は時間的な都合もあり割愛させていただきました。
わかりやすい旧道で、通行止めもされてませんので、ご興味のある方はどうぞ。
写真は旧道が合流してきた地点。
ここで封鎖が一番悲しいんだよ・・・。
事前に情報入れといてよかった・・・。
いよいよ線形にも気合が入ってくる鈴鹿スカイライン。
上に写っている道はヘアピンカーブを繰り返した同じ道の姿です。
スカイラインの名にふさわしい絶景!
奥に見える四日市の街並み。
この景色とはもうすぐにおさらばです。
なぜならば・・・。
そこはもう県境トンネルだから。
武平トンネル(ぶへいトンネル)
標高800m、国道477号の最高標高地点です。
なんか水色のペイントがみすぼらしいのが残念ですが・・・。
トンネルはもっとどんとかまえてほしいんですよ!
しかし見逃してならないのは手前の看板。
このトンネルの直上にはこの鈴鹿スカイラインのもとになった街道の峠が現存しています。
武平峠(ぶへいとうげ)
トンネルにも言えることですが「ぶへい」です。「たけひら」ではありません。
これで僕は三重県の山男に鼻でせせら笑われたことがあります(汗。
はっきり言ってこの道はかなり荒れています。
ご覧のように、枯れ沢をジャンプしなければならないようなところもあるので、それなりの注意が必要です。
ここが恐らくもっともきつい岩場。
軽いフリークライミングです。
山登りの経験がないとちょっときついかも。
もし来られる際はご注意ください。
そんなに長い山道じゃないんですが、このような木橋のある沢もあります。
これがまた滑るんですよ。
しかしなぜ革靴できた、自分・・・。
めっちゃ滑りました。
武平峠、着。
標高820m。
800m級は山男の基準から言ってもなかなかの高さの峠。
中堅クラスか。
久々坂峠を彷彿とさせます。
ここから奥へ行けば御在所岳、手前に行けば鎌ヶ岳に登ることが出来ます。
両方とも名山ですよ。
こちらが滋賀県側の登山口。
距離的にはどちらもそうそう変わりませんでした。
ただ間違いなく、三重県側の方が険しかったです・・・。
振り返ってみた武平峠。
美しい景色なんですが、本当にあの空色のトンネルがぶち壊し。
全国のトンネル工事に携わる皆様。
わけのわからんペイントだけはやめてあげてください・・・。
僕の中のがっかりワーストは佐目トンネルだな・・・。
滋賀県側は三重県ほど下らず、麓を迎えます。
鈴鹿スカイラインもここで終了。
次回はもう一つの国道477号の峠をご紹介。
武平峠の陰に埋もれまくってる可哀そうな峠も是非見てあげてください。
以上、武平峠編