あなたに足りないのは
「心の持ち方」という中学生でも読める自己啓発本として一世を風靡した著書がリメイクを受けて再び注目を集めている。
そんな本書に手を伸ばす者とは、さぞかしお疲れなのかもしれない。
心の持ち方
言いたいことは分かる。
タイトルの趣旨も分かる。
しかし、多くの人が抱える人生の悩み事とは「自分のメンタルが弱いから」ではない。
遺伝子的な幸福度があったにせよ、それらを左右しているものは紛れもなく対人関係が8割。
残りの2割は将来不安として、さて、私たちは「心の持ち方」という自分単体で考えた改造計画に着手するという最も非効率な作業に時間を費やせるほど暇ではないことを理解しよう。
人生が上手くいかない、思ったようにいかない、と言って疲れたりストレスを抱えることは誰にでもあるが、そういう時は たいてい「心の持ち方」でメンタルヘルスを保つのではなく、自分と他人の間でどのようなミスマッチが起きているのかに集中する他ない。
結局は対人関係が上手くいかない人ほど、対人から目をそらし、本に書かれている「自分の心の持ち方」について注目してしまうというドツボにハマる。
あなたが上手くいかない理由は・・・
・自分のことばかりで相手の景色を見ることが苦手
・おおらかな愛で損得勘定を捨てた対応をすることが苦手
・自分にゆとりがないから相手を変えようとしている
のでは?
心理学の鉄則として「自分にゆとりを作る方法」ではなく、自分を捨ててでも相手を思えるだけの「相手イメージ」を肥大化していかないと脳は変えられないようになっている。
例えるならば、登校拒否になってしまった人が嫌いな人のことを思い出さないようにするよりも、ソレが気にならないくらい楽しいことを他に発見するということ。
「自分に何が足りないのか」という発想を持てる人が全体の3割。
「ではカウンセラーに相談してみよう」と行動を起こす人が そのうちの3割。
人との付き合い方は各世代ごとに異なるテーマを持ち、幼少期であればオモチャを交代で使うことやブランコの順番を守ったり譲ったりすることに始まり、大人になれば車で割り込まれたと言ってストレスを抱える、何ら変わらないことをやっている。
貸したものが返ってこない、貸したものが壊れたというのも、大人で言えば事件となる。
駆けっこで1位の奴は年収が一千万に匹敵するほどのステータスを感じているに違いない。
私たちの「対人」に関するイメージや事実的な関わりの能力は人生をどれほど左右しているか計り知れない。
追記:
弊社では「大人の自己理解&ポジティブチェンジ」のための支援を行っております。
かく言う筆者も初めて購入した自己啓発本が「心の持ち方」でした(二十歳頃でした・・)
EQ検査 SEI を使い、自己理解から12ヵ月のサブスクリプションで毎月ミーティングを行う制度を取り、コミュニケーションの癖と苦手について訓練と反復を行い体のように心を磨いていきます。
フィットネススタジオらしいカウンセリングルームをぜひ御利用下さい。