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「宇田川源流」 風雲急を告げるイランとそれでも戦争にならないのではないかと思う根拠

2019.07.24 22:00

「宇田川源流」 風雲急を告げるイランとそれでも戦争にならないのではないかと思う根拠

 雑誌や私以外のジャーナリストに、よく、「イランとアメリカが戦争をするのではないか」と聞かれる。まあ、そのように考える人も少なくないし、また、日本のマスコミはアメリカとイランが戦争することをあおっているようにしか見えないような報道を平気で行っている。民法がそのような報道をしていても、日本に来ているアメリカ人やイラン人があまり良い気持ちをしないであろう。まあ、もちろん一触即発になるような行動をとっているのは、その両国なのであるが、しかし、それを軍隊も持っていないし、戦争になったら困るはずの日本が、戦争をあおるような報道を、それも衛星放送で世界の人々が見ることができるような状況で、行っていること自体がなんとなく違和感を感じるのである。

日本のマスコミや、あるいは野党の人々は、今年五月の日米首脳会談の後に安倍首相がイランに飛んで行って、和平に寄与する交渉を行ったこと、それに対して、ハメネイ最高指導者との会談の最中に、日本のタンカーが襲撃されたこと、それらを受けて「安倍が交渉をしても和平がうまくいかなかった」ということで、日本国内の政局という狭い視点で与党批判をしているつもりかもしれないが、はっきり言って、「交渉できる立場にある」というだけで、なおかつ、実際にロウハニ大統領・ハメネイ最高指導者というように会談を行っているということ、その交渉を行うことができるほど、イランの政治体制や国情に精通していることは、間違いなく世界の高い評価を得ることのできるものであり、そのことを批判している日本のマスコミや野党が、外交の現場を知らないとして、世界の批判の的になる状態である。

「日本のマスコミは、イラクのバクダッドやバスラで爆破テロが起きて人が死んでいる状況をなぜ報道しないのか」という疑問がある。単純に、日本のマスコミは「安全なところでしか取材をしない」「リスクをもって取材をし、もっとも危険な場所の真実を報道する」ということをしない。そのために、フリー戦場ジャーナリストのような人々が暗躍し、なおかつ、その人々が、拉致されたり拘束されたりするのである。

同じ話で、イランのことをどれくらい知っているのであろうか。そして、そのことを知ったうえで、外交交渉を行うことの難しさを知って、批判しているのであろうか。

米のイラン無人機撃墜、イランが反論映像を公開

 アメリカのトランプ大統領がホルムズ海峡でイランの無人機を撃墜したと発表したことについて、真っ向から反論しているイランは無人機が撃墜されていない証拠とする映像を公開しました。

 この映像は、イラン革命防衛隊が国営テレビを通じて19日に公開したイランの無人機から撮影したとするアメリカ軍の艦艇の映像です。

 アメリカのトランプ大統領は18日、ホルムズ海峡の公海上を航行していたアメリカ軍の強襲揚陸艦に対し、イランの無人機が脅威となる距離まで接近してきたため撃墜したと明らかにしていました。

 しかし、イラン側は画面に表示された撮影時刻が撃墜を否定する証拠になると主張し、トランプ大統領の発表を真っ向から否定。またAP通信によりますと、イラン革命防衛隊はアメリカ海軍の軍艦などをおよそ3時間にわたって撮影したと説明しているということです。

 「間違いない。我々は撃ち落とした」(トランプ大統領)

 一方で、トランプ大統領は19日、このように述べ、アメリカがイランの無人機を撃墜したと改めて強調しました。また、ボルトン大統領補佐官も「艦艇と乗員に脅威を与えたため撃墜した。完全に正しいことだった」として、アメリカの正当性を訴えました。(20日12:11)

2019年07月20日 16時36分 TBS

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12198-346054/

ホルムズ海峡警備構想を説明へ=米主導、船舶護衛の有志連合

 【ワシントン時事】米国務省は16日、中東ホルムズ海峡などでの船舶護衛を目的とする有志連合構想について、19日に概要を説明すると明らかにした。イラン情勢が緊迫化する中、各国と連携し、それぞれが護衛艦艇を派遣することで民間船舶の安全を確保したい考えだ。

 国務省当局者によると、フック・イラン担当特別代表がイラン沖のペルシャ湾とオマーン湾、両湾をつなぐホルムズ海峡の海洋安全保障イニシアチブについて説明する。国防総省の代表者も同席するという。

 国防長官に指名されたエスパー陸軍長官は16日、上院軍事委員会の公聴会で、英海軍フリゲート艦がイランの精鋭部隊「革命防衛隊」による英タンカー拿捕(だほ)の試みを阻止したことに触れ、「事態が制御不能になるのを防いだ」と指摘。「軍事衝突を避けるためにこうした形の(船舶護衛)構想を計画している」と語った。 

時事通信2019年07月17日11時01分

https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-190717X362

 さて、イランは日本を信頼している。以前も日章丸事件といわれる、百田氏の「海賊と呼ばれた男」の原案となる石油取引と裁判の事件が存在した。そのようにしてイランの経済行為は米英に制限されながらも、日本という国に助けられてきているのである。

その日本が和平に動いたということは意味が大きい。

アメリカは安倍首相の行為を無視して戦争をすれば、今度は和平に動く人がいなくなる。何しろイスラム教シーア派の国は、シリアも、イエメンも内戦中であり、そのためにイランとアメリカや欧米を橋渡しする国はないのである。そのように考えた場合には、日本という切り札を捨てるわけにはいかないし、その無駄遣いはできない。相手が信頼しているアメリカ側陣営の国をうまく使わなければ、イラクやアフガニスタンのような泥沼化してしまい、また、共和党の票が落ちてしまうのである。

そのように考えれば、安倍首相の行った役割は非常に大きい。そのために、アメリカは戦争に踏み切れない状態になってるといえる。それでも戦争論が出てきているのは日本のタンカー襲撃である。

ホルムズ海峡は、世界のエネルギーの大動脈と言ってよい。日本の場合も、ホルムズ海峡を通ったタンカーは、日本の石油輸入の80%を超えている数字である。その内容がすべて「人質」に取られている状態をどのようにするのかということがある。

この場合に、問題があるのは「タンカーを襲撃しているのは誰か」ということ。これがイラン政府なのか、イランの反乱分子なのか、それともイランに罪を着せた第三国なのかということがあると考えられる。そしてもう一つは、「日本はイランの信頼を裏切るのか」ということが挙げられるのである。つまり、せっかく和平に動きながらも、アメリカが何かあればすぐにアメリカ寄りにになってしまうのかということも考えなければならないのである。そしてその日本を裏切ることのできない各国ということになるのである。

このような段階で、「有志連合」の話が出た、ホルムズ海峡のタンカーを守るためにそこを利用している国々が有志連合として警備に当たるということだ。

この解釈をどのようにするかということになる。一つは、アメリカやイギリスがイランと戦争をするのに、「初めから有志連合として多国籍軍を作っておく」ということになる。この場合、日本の自衛隊がここに入っていれば、アメリカは、憲法9条があるにもかかわらず日本の自衛隊にイランとの戦争に参加させるということになる。しかし、それは上記で書いているように日本が和平の使者として存在することができなくなることであり、イランと、中国の連携を強めるということを意味し、同時にそのことは、インド洋で一帯一路陣営との戦争が発生し、その時にパキスタンなど中国側に立つ国を増やすということを意味している。

一方の解釈は、「日本を有志連合に入れることによって、戦争をしないホルムズ海峡警備を行う」ということになる。これは、日本が憲法で戦えないという前提で、そこに参加を要請するということになり、日本の信用を利用して「テロリストをあぶりだすための手段」ということを行うという解釈である。日本は、民主党政権になる前に国家間の戦争は一切行っていないものの「テロとの戦い」は行っていることから、そこまでならば参加できる。日本の国旗があることで、当然にイランもある位程度遠慮するということになる。

私はある程度考えてみると、基本的にはアメリカはこのどちらとも考えていないで「日本をリトマス試験紙」に使おうとしている。まさにそのように使われることによってイランの出方を見るということになるのである。

G20の後、アメリカは明らかにイラン「政府」を悪役にしなくなった。その会見の変化に気づくかどうかが大きな問題ではないか。そのような微妙な変化を見ていかなければ、本当に戦争になってしまうが、まだその時期ではないような気がするのである。