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青と檸檬

Milky way

2019.07.21 14:39

生まれることのできなかった涙が宙に凝って碧く光っている


列に遅れた紫陽花が七月の影を踏んで


悲しみの上澄みだけを黄昏に縫い止めている


帰ってこない手紙の返事が白く下唇をなぞって


かつて少女だった何かが、繋がろうとする熱を赤く隔てた


老人は燻されて銀に変わった骨を杖にして露店を眺める


虹彩から飛び立った鳥は夜に溶けていつかの笑い声になった




「ねえ、私たち、また会えないのかしら」


「二度と」


「会えないままなのかしら」




囁きはきっとまぼろしだった


そうでなければ、すぐに人間の船から振り落とされてしまうだろう


残響、鼻腔に、甘く





二人が望んだ夜が、また