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KANGE's log

映画「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」

2019.07.22 00:07

スーパーヒーロー作品の中でも、「主人公が高校生であること」が重要なポイントになっていると思われる作品がスパイダーマン。それゆえに、実写映画では俳優がどんどん成長してしまい、だからこそ、リブートが繰り返されてきたというところもあるのでしょう。つまり、長く続けられるシリーズではない、ということ。

1作目が「ホームカミング」、つまり「MCUというホームに帰ってきた」という意味が込められているのだとしたら、本作「ファー・フロム・ホーム」は、エンドゲームで大きな柱を失ったホームから距離を置く話なのかと想像していました。でも、距離を置くどころか、トニー・スタークの後継者指名を受けるかどうか、という話になっていましたね。

前作では、いったんはピーターはアベンジャーズ入りを断っています。しかし、「インフィニティ・ウォー」「エンドゲーム」の展開を受けて(ある意味、これが「ベンおじさんの死」に該当するのかも)、いよいよ「親愛なる隣人」から、みんなのスーパーヒーローになる覚悟を迫られる時が来ました。そのためには、犠牲にするものもあるでしょう。また、ちょっと判断を誤れば、本作のように、ヒーローの負の側面が暴走してしまうのを、自らの手で制御しなければなりません(トニーは、それをやっていた)。

本作は、ピーターに、決断を迫りながらも、その判断を惑わせるような、とても意地悪な展開になっています(褒め言葉)。

ピーター・パーカーは、どの道を選択するのか? 結果的に「明確に答えを出していない」と私は受け取りました。

個人的には、スパイダーマンには「人類の敵と戦うヒーロー」よりも、「友人や市民を危険から救うヒーロー」であってほしいと思っています。

今シリーズになってから、スパイダーマンが活躍する舞台は、ワシントン、宇宙、ヨーロッパ…ということで、マンハッタンのビル群をスイングするというお決まりのシーンはなかったかと思います。

しかし、本作のポストクレジットシーンを見ると、私たちの知っているスパイダーマンが戻ってきたようにも見えます。一方で、今後の作品に大きく影響する、とんでもない展開もありました。これは、今までにないスパイダーマンの物語を始めざるを得ないということでもあります。如何様にも持っていけるように作ってあるのだと思いますが、これはいったいどうするつもりなのでしょう? ちょっとこれは高校生には荷が重いですよ。

そして、今回、おいしい役回りは、ハッピーですね。 たくさん笑いも取っていくいくし、ロマンスはどうなるのか分かりませんが、飛行機の中でピーターにトニー・スタークの姿を重ねて見つめるところなんか、こちらもぐっと来てしまいます。 それを演じているのが、アイアンマン1作目からスタッフとしても継続的にMCUに関わってきたジョン・ファブローだというところも、エモいものがあるじゃあないですか。