大阪遠征第1弾 暗峠
日本三大酷道
道路趣味者の間で取りざたされる、「三大酷道」というジャンル。
他のジャンルでは明確な定義があるみたいですが、道路趣味者としては「はっきりとこの3つ!」というものがあるわけでなく、それぞれがそれぞれの三大酷道を持っているって幹事で捉えてる感じです。
しかしその中でも必ずと言っていいほどランクインしている酷道が二本あります。
国道418号(キングオブ酷道)
国道425号(死にGo!(笑)
もう一つをそれぞれどこがやばかったかで推挙しているのが、道路趣味者の間での常識となりつつあります。
では僕はもう一つどこを日本三大酷道に推挙するか。
このレポでも数々の国道を取り上げてきました・・・。
しかし、僕は今回初登場となるここを推薦したい!
国道308号
道路趣味者の間では知らぬ者のいない、唯一無二の峠を持つ酷道!
その驚異をご覧あれ!
さてここは当ブログでは初進出となる大阪府東大阪市。
流石の交通量です。
この時点で既に国道308号上を走っているのですが、実際は国道170号の現道との重複区間なのでその姿は見せていません。
ちなみに重複前の区間は阪神高速13号の下を走るのでやはり地図上では見つけにくい。
大阪府はあまりこの道を走らせたくないようです。
さてここで国道308号は左折し重複から離脱し、一路奈良県を目指します。
そう、この先に聳える生駒山地を越える峠こそ、僕がこの道を日本三大酷道に推薦する最大の理由。
暗峠(くらがりとうげ)
なんとも惹かれる名ではありませんか。
峠というのはどこか異世界的な雰囲気、陰鬱な雰囲気を醸し出すもの。
そんなワンダーランドを連想させてくれる、なんとも不気味な名前です。
目前にはこれから越えていく生駒山地の山塊が聳えています。
こう見ると大阪ってホント、山裾のぎりぎりまで都会なんだということがよくわかりますね。
ちなみに僕の行くべき道は右斜め奥、微妙にわかりにくい。
軒先へなへな区間が続きます。
しかし僕はあの国道365号の迷走区間をクリアしてるのですよ。
これくらいは屁でもありません。
しかし勾配は少しずつ上がってきています。
近鉄奈良線の高架をくぐるとこんな案内が。
そうここは都市部の国道ではまま見られる、一方通行のある国道なのです。
こればっかりは仕方ないので、看板に従って素直に迂回。
この写真を撮っている最中、大阪のおばちゃんたちに変質者を見る目で見つめられましたが、別にどこかの家の窓を狙ってるだけではありません。
看板を撮っているだけです。
変人ではありますが変質者ではありませんので、通報はご遠慮いただきたい。
さぁあの止まれの先で迂回路は終了。
いったい308号はどんな姿になっているのか!
どん!(大阪側)
どん!(奈良側)
狭い!狭過ぎるぞ!!
この狭さは国道365号にも匹敵します。
軒先レベルでも上位に食い込んでくるぞ!
ここで家を建てると、このような努力が必要となります。
狭さだけでなく勾配もかなりのもの、25度近い斜度を登らなくてはなりません。
この時点で勾配トップの前ヶ畑峠(30度)にはリーチですよ。
さていよいよ、生駒山地の森に突入する308号。
ちなみにこの時点で勾配は変わらず、常に20%前後の勾配をキープしてます。
この時点で僕のティーダくんは「D」と「1速」を使い分けないと安定して走れない状態になっています。
こんな勾配でも国道、当然対向車は来ます。
そんな時は交通マナーに従って、登りの方がバックして安全に離合できるところまで下がらねばなりません。
これが怖い。
バックであり得ないスピードが出ます!
つうか離合できる区間ほとんどないんだよ!!
おちるーーーーーーー!!
冗談じゃなくてマジでそんな感覚です。
この付近の最大斜度はなんと驚異の
37%!
文句無しで国道界最大斜度です!
想像しにくいかもしれませんが、最大37%勾配っていうのははっきりいって壁です。
ゲレンデの上級コースでも35%を越えれば一目置かれます。
瞬間的とはいえ上級コースのゲレンデを普通車が登るようなもんですよ。
バカだ!この道バカだ!!(褒め言葉)
ある程度登りきると勾配はいったん落ち着きます。
高原のような状態ですが、規模はそれほど広くはないですね。
しかしここにきての幅員狭小
まだ狭くなれるのか、お前は。
・・・前ヶ畑に続いて百井も越えたな・・・。
国道はどっちでしょう??
まぁここまでの流れから見て、
当然左ですよね!?
まさか外したなんて人いませんよね?
そしてこの狭窄区間を越えれば・・・、
暗峠、着。
標高455m、麓の海抜が約80mなので、ここまでの道のりがいかに無茶苦茶だったかがよくわかります。
そしてこの石畳こそ、この暗峠の特徴。
かつてこの道は暗越奈良街道と呼ばれた街道筋でした。
その歴史は奈良時代まで遡り、伊勢参宮街道の一つとしても認知されています。
その歴史と峠付近の景観から「日本の道百選」にも選出される美しい峠道です。
古くは「鞍借峠」(くらがりとうげ)とも「鞍ヶ嶺峠」(くらがみねとうげ)とも呼ばれ、歴史の主役を担っていました。
今はその役割は第二阪奈高速道路に譲っています。
しかし峠というものは登りだけのものではありません。
登ってきたら下らねばならないのです。
道がない!!??
暗峠に立った僕の目の前に、道はありませんでした。
世界の果てはここにあったのか。
ここにきてようやく路面が見えてきました。
しかしここの下りは生半可な勾配ではなく、突入するにはけっこう勇気が必要です。
さてここから先は奈良県生駒市。
こちらも初登場の県となります。
ちなみに見えている高架は信貴生駒スカイラインという有料道路です。
ここから直接、暗峠に訪れる手段はありません。
それが出来ればめっちゃ楽な峠なのにな。
峠付近の激坂を過ぎればいくらか常識的な道になる奈良県側。
しかしそれでも遠くに見えている生駒市街地まで下ることを考えれば、まだまだ標高を稼がねばなりません。
断続的にセンターラインは消えますが、アレに比べたらなんの問題もない。
むしろ快適に下れます。
暗峠は大阪側こそが本番ということが言えそうです。
この峠はハイキングコースとしての利用が多いようで、このような徒歩向きの看板が設置されていました。
事実ハイカーの姿もちらほら見かけました。
しかし国道である以上、四輪車も堂々通らせていただきます。
安全運転はしていますが、朝夕は通勤の車も多いようですので、ハイカーの皆様お気を付け下さいね。
ところどころ道路改良の痕跡が見られます。
恐らく近年、徐々に拡幅や法面施工などが推し進められているのでしょう。
奈良側が比較的、走行しやすいのもこういう要因があると思われます。
まぁ大阪側は手つかずの酷道が展開されてますから、道路趣味者の皆様はご安心を!
しかしこういう所きっちり残ってるのが街道筋酷道の辛い所。
両側が民家でこれ以上広げられない!
国道365号迷走区間を思い出します。
理由はわかりませんが、道幅に比例して勾配がきつくなる。
勾配が優しい所は新線なのか?
路面的にそんな様子はなかったけど?
まぁ言いたいことは、走りにくいことこの上ないってことですけど。
大阪側よりも距離をかけて標高を下げている分、麓まで時間がかかりましたが、ようやく市街地に到着です。
大阪の喧騒を忘れたかのような、長閑な光景ですね。
この地点よりもう少し進むと、前編でもあった一方通行区間が現れます。
奈良→大阪はルート通り走れますが、大阪→奈良は迂回を強いられます。
完全走破に重きを置かれる方はご注意を!
迂回路はそのまま国道168号にぶつかります。
僕は終点まで308号とお付き合いするつもりなので、一方通行の終点(起点)に向かいました。
この交差点の右の道が国道308号暗峠への道です。
無論、なんの案内もありませんが。
さて、ここで暗峠編はお仕舞いとなりますが、実は知る人ぞ知るもう一つの峠がこの先に控えています。
第2弾ではこちらをレポして見ましょう。
以上、暗峠編