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SILENT YARITORI

無題

2019.07.26 16:36

鉛のように重たくなった身体は

まるで重力が倍にでもなったかのように

深く深く沈み込んでいく

それは

夜空からゆっくりと落ちるようでもあるし

柔らかいベッドから伸びた手に

音も無く引きずりこまれるようでもあり

全身が熱を帯びて

感覚は麻痺を迎える


誰かを傷つけた数と

君に言えなかった言葉の数と

あの部屋に置いてきた本の数を

薄れる意識の中で数えながら


草原で眠るシマウマ

疲れ果ててなお

立ち止まることを許されない旅人

散らかったままのトランプ

飲みかけのグラス

思い出せない約束


ふっと魂が抜け出るように

身体がふわりと浮き上がる

無重力の空間の中

同時に舞い上がった幾千の白い羽を

かき分けながら泳ぐように浮遊して

辿り着いた君の首に腕を絡める


遠くの方で笑っている

薄汚れた羊と目が合わないように

一枚の羽でそっとその目をふさぐ


君の夢がどうか犯されませんように