プロセス観察
プロセス観察シート
http://www.anabuki-college.net/amk/itaku/cd/ より
コミュニケーションの観察ポイント
(1) 目の動き (まなざしの方向等)
(2) 声の調子や話す速さなど
(3) 姿勢や表情など
(4) ジェスチャー (身振り、手振りなど)
(5) 感情(気持ち)の表現
(6) 雰囲気 (緊張、堅さ、解放、なれ なさしさなど)
(7) その他
グループ・プロセス観察のポイント (グループ・プロセスを捉えるための問いかけ)
◆個々のメンバーの様子 ・参加の度合いは?それに移り変わりはあるか?
・各メンバーにどんな感情が起こっているか?
・メンバーはどのように受け容れられているか? (しぐさや表情から推測すると?)
・グループの「外にいる人」は誰かいるか?
・否定的な感情の表出を抑えようとしているのは誰か?
・グループ内にサブグループはあるか?
・誰のどのような感情表現がどんな影響を与えているか?
◆コミュニケーション ・発言回数の多い人、少ない人は誰か?
・発言の少ない人は、どのように取り扱われているか?
・沈黙の時はメンバーはどうしているか、沈黙はメンバーにどのように解釈されているか?
・誰が誰に話しかけることが多いか?あまり話しかけられない人はいるか?
・話し合いは知的なレベルでなされているか、気持ちのレベルでコミュニケーションが起こっているか?
◆意志決定 ・決定は多数決か、全員合意か、少数者による支配か?
・暗黙の了解みたいなものがあるか?
・他のメンバーにチェックすることなしに決定し、実施しようとする人がいるか?
◆リーダーシップ
・影響力の強い人は誰か、いつもその人であるか?
・影響関係に移り変わりはあるか?それを変えるのは誰か?
・誰のどのような言動が、グループに、あるいは個人にどのような影響を与えているか?
課題達成機能:・話を切り出すのは誰か?
・意見が一致しているかどうか確認しているのは誰か?
・課題達成の最善の方法、取り組み方についての示唆を求めたり、提供したりするのは誰か?
・話されたことをまとめたり、テーマが飛んだり脱線したりすることを防ごうとするのは誰か?
・アイデア、意見を求めたり、提供したりするのは誰か? 集団形成・維持機能:
・他のメンバーの参加を促すのは誰か?
・メンバーを励ましているのは誰か?
・他のメンバーの考え、気持ちなどを明確化するのは誰か?
・メンバー間の意見を調整したり、グループの緊張をほぐしたりするのは誰か?
・他のメンバーの発言をよく聞き取り、支持的に行動する人は誰か?
◆グループの目標
・グループの目標は、メンバー全員が理解しているか?それはどのようにして?
・話し合いや仕事の途中で、今何をしているのか、メンバーに共通の理解があるか?
◆時間管理
・メンバーに時間に対する意識が見られるか?それはどのような行動に見られるか?
・誰がどのように時間を管理しているか?・具体的に時間に関する提案や指示がされているか?
◆仕事の手順化(組織化)
・目標達成のためにどのような手続き
・手順がとられているか、あるいは、無計画に進められているか?
・メンバーに役割が分担されているか?そのことが目標達成にどのように影響しているか?
◆グループの規範
・どのような事柄がタブー(してはいけないこと)になっているか? それを強化している人は誰か?
・変に遠慮しているようなことはあるか?それはどんなことか?また、それはなぜか?
・表に表れている約束事、ルールは? 暗黙のうちに認めている約束事、ルールは?
◆グループの雰囲気
・グループの様子を何かにたとえると?
・仕事をしようとする雰囲気か、遊び感覚で楽しもうという雰囲気か、逃避的か、活気があるか……など
・友好的、同情的雰囲気をよしとする傾向があるか、葛藤や不愉快な感情を抑えようとする試みが見られるか?
・ 雰囲気を表す言葉の例:開放的、同情的、あたたかい、クール、友好的、対立的、挑発的、曖昧、なれ合い、 緊張、防衛的、支持的、援助的、拒否的、など
グループ・プロセスの諸要素
◎ 個々のメンバーの様子(メンバーシップ)
(1) メンバーシップ ・メンバーの参加、没入の度合い
・メンバーの参加の仕方とその変化
・メンバーの意欲
・メンバーがグループに受け容れられているか
・チームの集中度
(2) メンバーの感情
・メンバーの感情とその動き、それらのグループへの影響 ・無言のしるし(声の調子、表情、ジェスチャーなど)から推測
・感情表現が受け容れられているか
◎ グループ内のコミュニケーション
(1) メンバーの発言(主張)の仕方
・メンバーが互いに言いたいことが言えているか
・メンバーの主張はストレートか、遠慮がちか
(2) 発言のかたより
・発言しない人がいるか
・しゃべり続けている人がいるか
(3) 話しかける相手
・話しかける相手が決まっているか
(4) メンバーの相互のきき方
・十分応答しあっているか
(5) 相互の指摘に関すること(相互のフィードバック、相互援助関係)
・メンバーが互いに関心をもち、気づいたことを自由に言い合えているか
(6) コミュニケーションのレベル
・知的なレベルか、気持ちのレベルか
◎ リーダーシップのありよう
(1) メンバーの役割のとり方
・メンバー一人ひとりが、どのような状況の時に、どのような役割を果たしたか
(2) メンバーの役割行動 ・課題達成を指向したもの
① あらたに始める、発議する、口火を切る(途中でも)
② 情報、意見、アイデアなどを提供する
③ 情報、意見、アイデアなどの提供を求める
④ 明確化したり、吟味したり、解釈したり、判断したりする
⑤ 関連づけ、まとめやしめくくりをする(途中でも、終わりでも)
⑥ 同意をとりつけたり、意見一致かどうか確認する
⑦ 記録したり、すわり方を変えたりなど、技術的に貢献する
・集団の形成・維持を指向するもの
① あたたかく励ましたり、支えたりする
② 雰囲気をつくったり、感情を表したり、確かめたり、共有化したりする
③ 緊張を緩和させたり、調和をはかる、仲をとりもつ
④ 譲歩する、グループの線にそって妥協する
⑤ 課題を達成するための標準を示す、規範をつくる
⑥ 整理役、進行役をつとめ、コミュニケーションを促進させる
⑦ 観察して、フィードバックする
(3) メンバー相互の影響関係
・メンバーのひとりの言動が、その他のメンバーやグループにどのような影響を与えたか、その度合いと 内容
(4) リーダーが固定しているかどうか
・リーダーが特定の人に固定しているか、適時状況に応じて登場してくるか
・そのことが課題達成にどのように貢献しているか
◎ グループの規範(ノーム)
・メンバーの言動を規整する基準
・ルール
・約束ごと ・表に表れた規範-隠れた規範(明示のものと暗黙のもの)
◎ 意思決定の型 ・意思決定のスタイル(暗黙の了解(無反応の決定)、ひとりによる決定、少数者による決定、多数決、コ ンセンサス、全会一致など
・意思決定の手続きについてのメンバーの合意とメンバーへの影響
・意思決定のスタイルと目標達成との関係
◎ グループの目標 ・個人の目標の取り扱い
・グループの目標の明確化
・グループの目標の共有化
◎ 時間管理 ・適切に時間が管理されているか ・時間管理の方法(誰が、どのように取り決めているか)
◎ 仕事の手順化(組織化)
・目標達成への手続き
・メンバーの役割・機能の分化と統合
◎ グループの雰囲気 ・グループ全体についての一般的な印象
・どのような雰囲気か、誰がつくりだしたものか、どのように変化しているか、結果にどのように影響を 与えたか
参考文献:星野欣生 1996 グループ・プロセスの観察の指針