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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

大航海時代17-ヴェスプッチ新世界を公表

2019.07.28 12:00

後にアメリゴ・ヴェスプッチが有名になるが、コロンブスの後陣の船長は、アロンソ・デ・オヘーダである。1499年6月、4隻のオヘーダ艦隊は、ヴェネズエラに到着した。先住民は皆親切で、真珠や黄金を、ガラス玉や鈴などの安物と交換したし、祭にも誘ってくれた。

オヘーダ一行は、周辺を航海するとマラカイボ湖を発見、水の上に家を建てて生活する先住民を見て「小さなヴェネツィア、ヴェネズエラ」と名付けた。この湖は真珠の産地で、1500年6月に帰国したときはかなりの量の真珠を持っていたが、222人の先住民も乗せてきて、奴隷としてスペインで売り払った。

オヘーダに少し遅れてクリストバル・ゲーラと、ペドロ・アロンソ・ニーニョの1隻の船もヴェネズエラに到着したが、彼らが持ち帰った真珠は75キロもあった。こうして真珠狂想曲がまきおこり、山師達がヴェネズエラに押し寄せ、先住民を収奪していくことになる。

1500年、ポルトガルのカブラルがブラジルを発見。これが大陸の一部か知りたいポルトガル王が、渡航経験のあるヴェスプッチに航海を依頼。彼は南米の海岸線を南に行き、アフリカ最南端の緯度を越えても続くため、悩んだあげく1503年「新世界」という本で、これが聖書にもなく、まだ知られていない大陸であると発表した。この本がベストセラーになって、新大陸は「アメリカ」と命名されるのである。

下はアメリカを目覚めさせるヴェスプッチ