麻雀IQ220の勝負師! BLACK DIVISION 第1節 4回戦A卓レポート
3/26(土)22:51よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて配信された、RTDマンスリーリーグ BLACK DIVISION 第1節 4回戦A卓の様子をお届けします。
対局者は、起家から順に
藤田 晋(サイバーエージェント代表取締役社長)
多井 隆晴(RMU)
滝沢 和典(日本プロ麻雀連盟)
勝又 健志(日本プロ麻雀連盟)
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
3回戦終了時の成績はこちら↓
「アルベルト・アインシュタイン」
その名を初めて聞いたのは、今から25年前。
小学2年生の私がテレビを見ていると、舌を出した男性が映った。
何やらIQという知能指数が200近くある天才のようだった。
「勝又健志」
その名を初めて聞いたのは、今から14年前。
大学1年生の私がアルバイトを始めた高田馬場の麻雀店、その店主が言った。
「勝又健志は強い」
当時、同じ界隈の麻雀店に出入りしていた彼が来店したのだろう。滅多に他人を評価しない店主がそんなことを言ったので、印象に残っている。
打ち手としてだけでなく、正確な解説にも定評がある勝又を評し、誰が言ったか、「麻雀IQ220」。
麻雀という種目に限れば、アインシュタインの頭脳をも超える。
それが現鳳凰位・勝又である。
東1局にリーチ合戦で敗れ、いきなり7700放銃のビハインドを負った勝又。
同1本場では、誰の仕掛けもリーチもない状況で、なんとここから2sを抜き、万が一のチートイツを見ながら撤退を始める。
リーチ棒込みで8700も失点すれば、少しでも取り返したくなり、ついつい押してしまう局面だが、勝又の頭脳はそのような誘惑が付け入る隙を与えない。
実はこのとき、滝沢がテンパイしていた。
また、藤田、多井もイーシャンテン。
結果、すぐに3人テンパイとなり、藤田が滝沢へ放銃する。
自身が放銃していたかもしれない1局を、勝又の頭脳が失点せずに切り抜けた。
すると続く東2局では、打って変わって攻めに転じる。
多井・滝沢の12巡目リーチに対して同巡に追いかけリーチし、力強くドラをツモって2000・4000。
これで原点に復帰すると、次局には高目チャンタ三色のリーチ。
9mをアンカンした後、手詰まりの多井から1pを捕えるとウラドラが9mで16000。
この後は持ち前の状況把握力でこのリードを保ち、南3局をトップ目で迎える。
その南3局では、タンヤオピンフのテンパイが入った。
トップ争い相手の滝沢がオヤであり、ここさえアガリ切ればトップの可能性が「ある程度」高い状態でオーラスを迎えることができるため、ダマテンという選択肢もある。
しかし、勝又の頭脳は「ほぼ確実な」トップという状態でオーラスを迎えることを選択。リーチで勝負に出る。
すると、この判断がピタリとはまり、すぐに滝沢のリーチ宣言牌5sを捕えて3900。このアガリで勝又がトップを確定させた。
単に優等生タイプの無難な選択というわけではなく、こういった勝負もしっかりとかけていける。
この男、頭脳だけではない。
勝負師である。
2着には、オーラスにアガリ切った藤田が滑り込んだ。
マイナスを返済して1節目を終えた勝又に、2節目以降も期待がかかる。
麻雀IQ220のその先へ。
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)