ヨーロッパの夏空の下6 新たなホテル宿泊システム
一つの場所に5泊以上する場合、これまでは自炊できるキッチン付きのホテルまたはアパートを借りてきた。ベッドはゆったり寝たいので2ダブルベッドか、1ダブルベッド+1ダブルソファーベッド、つまり4人用もしくはそれ以上の部屋に宿泊するようにしてきた。その条件でそんなに高くないホテルやアパート、しかも中心街からそれほど離れていない場所となると、個人のアパート(ヴァカンスに出かけている間の利用)だったり、フロントには限られた時間しか人がいないホテルになる。そのため、チェックインの時間を事前に知らせてその時間に来てもらうとか制限は増える。フライトが遅れたりすると結構面倒。今回ウィーンで、それらの問題を解決してくれる、まさにこちらの条件にぴったりのアパートメントホテルに5泊することができた。チェックインからチェックアウトまで一度もホテル関係者と会うことはなかった。そのシステムはこうだ。代金を支払い予約が確定すると、パスポート情報など、通常のチェックイン時に要求される情報を相手に伝える。宿泊予定日が近づくと、モバイルの電話番号を聞かれる。そして二日前にホテル入口にあるキーボックスのパスワードがメール、SMSで送られてくる。ホテルについたらその番号を入力すると、キーボックスが開き2枚(二人分)のキーカードが出てくる。そのカードで、玄関、次のドア、そして部屋の入口をあける。部屋の使い方は、ホテルのサイトにアクセスし、動画を見れば実に分かりやすく説明されている。部屋の掃除は原則1週間に一度で、希望すればそのあいだにもやってもらえる。ホテルのように毎日掃除してもらいたい客には不向きかもしれないが、部屋に人が入ってくることがないから部屋を毎日片づける心配がないのがいい。部屋の広さは60㎡以上。バスタブ付きの浴室、シャワールーム、トイレが別々。寝室と居間に大型テレビ(合計3台)。今だけでなくエアコンもそれぞれの部屋にもついている。ダブルソファーベッドもあるから6人用。街の中心のシュテファン寺院までも2キロメートル未満。トラムもすぐ近くを走り実に便利。こんなホテルにバルセロナなら三ツ星ホテルの料金(2万円を少し超えるくらい)で泊まれる。二人だと安いとまでは言えないが、3人以上で利用するならかなりお得。これまで毎年のように海外に出かけ色々なホテル、アパートに泊まってきたがこれほど満足度の高いホテルはなかった。海外旅行の拠点をこのホテルがあるからウィーンにしようかとまで思わせてくれたホテル。この宿泊システム、これからどんどん広がっていくように思うが。もちろん、今回バルセロナで泊まったB&Bのように外出するときはキーをフロントに預け、玄関から入るときはブザーを押すとフロントが開けてくれるような、古いタイプ、コミュニケーションが豊富にとれるアナログなホテルも嫌いじゃないが。それぞれの好み、使用目的に応じてホテルのシステムもどんどん多様化しているということだ。
(ホテルの部屋からの眺め 朝)トラムが走る街は好きだ
(ホテルの部屋からの眺め 夜)
(部屋の台所)コンロの火力の弱いのが唯一の難点