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草原のコトノハ

春のざわざわ

2016.03.28 05:58
柔らかい陽射しとは裏腹に

この心のざわざわはなんだろう。

またひとつ前の扉に手をのばしかけてる、

期待と希望に膨らむ水面に

閃光のように射し込むのは

ひとすじの不安だろうか。

綱渡りのようなあやうさだろうか。

甘酸っぱい季節だ。

新芽が薫る風とは裏腹に

この心のざわざわはなんだろう。

真っ白な美しい雪に隠れていたものたちが

真新しい陽射しによって

明るみにでてくる。

まだ湿って傷ついた感覚を持っていたことを

思い出す。

あゝ真っ白く美しいはずだった。

だけど見なくてはならない。

傷ついた感覚を。

いまいちど、

苦みを甘みに変えるために。

甘酸っぱい季節だ。