エディンバラは良いぞ!エディンバラは良いぞ!
ええそうなんです。エディンバラが好きなんです私は。みんなにエディンバラをもっと知って欲しい!好きになって欲しい!留学に行って欲しい!
※これは皆さんへのエディンバラ布教活動であると共に、私なりの感想記でもあります。この記事は最後までこのテンションで行こうと思います。興味のある人は是非最後までどうぞ。もう一度言いますが、エディンバラは良いぞ!
と言っておいてなんですが、交換留学に応募する段階では実はエディンバラは私の中で第3希望でした。かくかくしかじか(詳細は省く)でエディンバラ大学に留学することになりましたが、巡り合わせは面白いなあと言いますか今ではエディンバラ以外に留学している自分が全く想像できませんね。
エディンバラはスコットランドの首都で行政の中心です。議会が置かれているため行政の中心はエディンバラですが、実はスコットランド最大の都市はグラスゴーです(エジンバラは第二位)。サッカー好きな人ならわかると思いますが中村俊輔選手が所属していたセルティックが本拠地を置くのがこのグラスゴーです。面白いことにグラスゴーとエディンバラは地味に仲悪いんですね、大阪と京都みたいな。エディンバラが京都です。ちなみにエディンバラと京都は実際に姉妹都市提携を結んでいます。
グラスゴーかエディンバラどっちが好きか聞かれたらそれはフラグです。グラスゴーだと言いましょう。私はイギリス滞在中に二回聞かれ二回ともこの返答がおそらく正解でした。工業が有名でアメリカとのタバコ貿易なども盛んだったグラスゴーは労働者気質が色濃く残るなんて言われたりもしますがまあそれは人によりけりなのでなんとも言えません。ちなみに第三の都市はアバディーン、第四の都市はダンディーです。ダンディーには最近日本人の隈研吾という建築家がデザインしたV & A Dundeeという博物館ができました。良い町です。アバディーンは行っていないのでわかりませんが石油で栄えた町です。
この辺りで簡潔に自己紹介をしておこうと思います。北海道大学文学部西洋史学研究室4年の藤井信充です。もともと文化人類学や文化研究(Cultural Studies)なんかをやりたいなあと思っていたのですが留学に応募する時期にお世話になろうと思っていた教授が転職したりやっぱり社会科学も面白いなあと思ったりなど揺らいでいた状態でありました。イギリスに対しては島国という点で地理的に共通点があり、福祉や多民族など日本が学ぶべき成功と失敗の事例が溢れているなあなどと思い、またちゃんと留学先で勉強したいと思っていたので文献が豊富な英語圏がいいな、などの感情が混在していました。Brexitが決まった2016年の国民投票ありましたよね。あの時期はトランプが大統領になったことも災い(幸い?)してナショナリズム対グローバリズムみたいな構図が非常に安易に単純化されたりしていた記憶があるのですが、中にはグローバリズムの支持者はアメリカのセレブなど社会的ステータスが高く教養がある人々、ナショナリズムを支持する人々は排外的な労働者みたいなイメージもあったんですね。ここでスコットランドですが、実はスコットランドはイギリスを構成している四カ国のうち最もEU離脱に反対投票した人の割合が高かったんです。そんなこんなもありいつの間にかスコットランド面白いなあと思っていたのが今振り返るとエディンバラ留学のきっかけです。
そんな思いを胸に留学に行ったエディンバラですが4ヶ月で完璧にファンになりましたし今ではお金を貯めてエディンバラで物件を買おうと思い週一でエディンバラの空室情報を見ている私です。そんな私が思うエディンバラの魅力的なところを、そこはかとなく書きつけようと思います。
街がファンタジー
大袈裟じゃなく本当なんです。ファンタジーといえばハリー・ポッターを想起する人は少なくないと思われますが街の中心部にあるエディンバラ城はホグワーツのモデルになったとも言われています。著者のJ.K.ローリングは執筆開始当時スコットランド在住のシングルマザーでしたが、息抜きとしてハリー・ポッターを書き始めた場所がエディンバラにあるThe Elephant Caféで、彼女が座った席は観光雑誌に載るほど有名なスポットになっています。
私は統一感のある街が好きなんですよね。昔から電車の車窓を眺めては色も形も高さもバラバラな建物の集合をもっと統一感持たせたいなあと思ったりしていました。エディンバラは見事です。歴史を感じさせる中世のような街並み、ワクワクするような裏路地の多さ、建造物の統一感、注意力が散漫にならない都市!
地形的に起伏の多いエディンバラの街は歩くにはしんどいですが同時に幻想的な雰囲気を漂わせます。付近にあるCalton HillとArthur’s Seatという二つの高台に登れば、エディンバラに来てよかったと思うこと請け負いです。間違いない。別に私のものでもなんでもないですが自信あります。個人的にはアクセスの良さや360度見渡せることもありCalton Hillの方がオススメです。
(写真はCockburn Street)
コンパクト
夜学生が集まるのはCowgateという通りですが、ここにはパブやナイトクラブなどが密集しており、夜出歩くと「ザ・若さ」みたいのが充満している場所です。私はこのCowgateに面していた学生寮(Robertson’s Close)に住んでいました。夜遊びに行くならCowgate、スコットランド土産を買うならRoyal Mile、アカデミックはGeorge Square周辺、服を買うならPrincess Street、アートならNew Townと、街の役割分担がはっきりしておりかつコンパクトというのがエディンバラの魅力の一つです。加えて海もあり丘もあり、言うことなし。勝ち組。
カフェの数とバラエティ
主観ですがアフタヌーンティーを飲むイギリス人大学生はいません。皆が飲むのはコーヒーです。僕も香りが好きなのでコーヒー派です。コーヒーが好きなそこのあなた、おしゃれな空間を巡るのが好きな方、自分に浸ってイキリたい君!エディンバラ一択です!
少しふざけすぎましたが何を好きでも良いですしそれは肯定されるべきです。自己愛は人に迷惑をかけない範囲であれば高ければ高いほど毎日が楽しいんではと私は思います。イキリ万歳。インスタ映え万歳。
日本でカフェと言えばスタバですが、イギリスの主要なカフェチェーンはスターバックスコーヒー、コスタコーヒー、カフェネロあたりです。ただ日本と違うのはそれ以外の小規模カフェが非常に多く街と人々に根付いていること。味が美味しいのはいうまでもなく外観から内装、椅子やテーブル、音楽などカフェごとの趣向に個性があり、巡るだけでも1週間以上かかるほど街にたくさんのカフェが点在しています。
個人的によく使ったのはBlack Medicine Coffee、Procaffeinationの二つです。前者はエディンバラ大学のすぐ近くにありバンクーバーの先住民の文化をモチーフとしたカフェ、後者はこじんまりとした窓の大きな音楽の良いカフェです。
(Procaffeinationにて)
ただ、個人的に一番好きだったカフェは(カフェという呼び方が正しいかわかりませんが)、George Squareのエディンバラ大学図書館前側の角にあるホットチョコレートの屋台です。その時は緑色でしたが2019年の年明けごろには紫に塗り替えると言っていました。ベストホットチョコレートオブザイヤーがあれば秒で私はここを推薦します。確か値段は普通のもので3ポンド、ミルク、ホワイトチョコ、ビターの三種類から選べます。脇にはおばちゃん自家製のチョコレートも売ってますがこれもまたちゃんと美味しい。何よりおばちゃんが優しい。寒いイギリスの冬にあっておばちゃんの優しさとホットチョコレートにどれだけ暖められたか。おばちゃんありがとう。この記事でゴリゴリに一押しするのがせめてもの感謝の気持ちです。
(ホットチョコレートの屋台と手作りチョコレート)
賑わいのある雰囲気
エディンバラは学園都市です。エディンバラ大学を始め、Edinburgh Napier University, Heriot-Watt Universityなどが近辺にあり、学生の比率が非常に高い活発な街です。加えてイギリスではロンドンに次いで二番目に観光客の訪れる場所なため、多様な世代、人種、立場の人々が交差するユニークさを持っています。さらに同じくイギリスではロンドンに次いで二番目の金融の中心地でもあります。二番目が多いですね。これは二番目のエディンバラに原因があるのではなく強大すぎるロンドンのリスクの方を憂慮すべきかなと私は思いますね。
高い学術レベル
もし大海がどんなものか知っていれば井の中の蛙にどんな変化があったでしょうか。北大と交換留学協定を結んでいるエディンバラ大学はTimes Higher Educationの2019年のランキングで29位、The QS World University Rankings 2019では18位につけている世界的に見ても学術的にレベルの高い大学です。
学部生での留学には大して留学先大学のレベルは関係ないという主張は一理ありますが、私は周囲の人から学べる(盗める)事の多さというメリットは批判を補って余りあると思っています。主題として何を大学で学ぶかよりも、同じ対象に対して周囲の優秀な学生がどんなアプローチを取るのか、効率的にするためにどんな工夫をしているのか、生活の中で何をどう位置づけメリハリをつけているのかなどを認識し、参考になる部分は取り入れるという点に高いレベルの環境に自分の身を置く一番の価値があると考えています。完全に独立独歩などというものは人間は存在せず、単に周囲の存在の大きさを認識できていないだけです。自分らしさを考える際に誰かの存在が頭をよぎることがしばしばあるように、自分という存在は常に他者を媒介して認識されています。ジラールですね。言い換えれば何を媒体とするかで意識する自分の姿や将来像、何にどうモチベートされるかは変化するという事です。この点は是非強調しておきたいと思います。
終わりに
半分ふざけて半分真面目にここまで書いてふと文字数を見ると4000字を超えていたのでそろそろ止めます。レポート1本分ぐらいあるじゃんこの忙しい時期に何してんのと自分を戒めていますが自分の伝えたい事を盛り込めたかなと思うので良いです。やはり留学はワクワクする自分の気持ちに従って欲しいです。高校生の時、柔道部顧問の体育の先生が「面白かったではなく楽しかったと言えるような時間を過ごせ」と言っていたのをふと思い出しましたが同じような気持ちを抱いています。
願わくはこの記事が色んな人に読まれ、エディンバラに関心を持つ人が増えますように。「エディンバラ 留学」で検索したら上位にヒットしますように。エディンバラへの熱意がキモいと思われませんように。そして最後に、今後留学する皆さんが帰国後にこのようなゴリ押し記事を書きたくなるほどそれぞれの留学が実り多いものでありますように。