イベント報告:森歩きで二十四節気を楽しもう 小満)~夏の気配を探しにいこう~
夜半から降り出した強い雨が上がり、きれいな青空が広がった5月21日、「森歩きで二十四節気を楽しもう 小満」を実施しました。小満は夏を迎えた生き物たちに生気が満ちてくるころ。そんな時期の森へ、夏を探しに出かけました。
若葉が目立った先月と比べて、格段に濃くなった緑が出迎えてくれます。コナラの木からは、早くも樹液の匂いが漂ってきて、チョウやハエが来ていました。夏の盛りにはたくさんの虫たちがやってくるでしょう。
皆さんが虫眼鏡で見てるのは、葉っぱをほとんど食べられてしまったサワフタギの木。食べた犯人のシロシタホタルガの幼虫は、先月はたくさんいたのに姿が見えません。どこかでサナギになっているようです。
「こんなに食べられて、木は大丈夫なんだろうか」
枝先には新しい芽が顔を出していました。どうも大丈夫なようです。
池にたくさんいたオタマジャクシも、なんだか数が少なくなりました。アカガエルは足が生えて上陸していく時期です。入れ替わるように出てくるのは、シュレーゲルアオガエルやトノサマガエルのオタマジャクシ。生まれてすぐのオタマジャクシには、体の横からエラが出ています。虫眼鏡で見ると「ウーパールーパーみたい!」。
池の中の草むらでは、トヨタの森の夏を彩るハッチョウトンボの羽化が見られました。今年も小さなハッチョウトンボがたくさん見られそうです。
池の脇にあるシデコブシには、またしても葉っぱのない枝があります。ハバチという、葉っぱを食べるハチの幼虫の仕業です。
池の中からは、ゲコッゲコッとトノサマガエルの声が聞こえます。声が聞こえた方向をみんなで指差すとどこにいるか分かります。この日はみんなに囲まれて指まで差されても鳴いてくれて、居所が丸見えでした。
森の中のササユリは、つぼみが大きく膨らんでもうすぐ咲きそう。でもよく見ると、そのササユリの葉を食べる、ルリタテハの幼虫もいました。ルリタテハは、葉っぱだけでなく花も食べてしまいます。花が終わるころまで食べるのを待ってくれると、花を観賞したい側としてはありがたいのですが。
参加された皆さんからは
「カエルが実際に鳴いているところを見られたので感動した」
「イモムシは苦手だけど、しっかり観察すると自分が思っている感じ方と違うことがある」
といった感想をいただきました。
これから梅雨を迎えて、森の生き物たちは、ますます元気になって行きます。また是非、トヨタの森の生き物に会いに来てください。
(文 こいさん、写真 ちーちゃん)