新学習指導要領が示す「情報活用能力」
AI・ロボット・IoT・ビッグデータが牽引する第4次産業革命の先に見据えたSociety5.0の社会。 必要な情報を集め、情報を取捨選択したり組み合わせたり、加工したり考えて処理することや、社会のルールに従って、訴求対象(=伝えたい相手)に伝わり易いように工夫して出力することなど、新しい学習指導要領で学ぶ中学生・高校生には、どのような情報活用能力が求められるのでしょうか。
1. 21世紀に求められる能力とは
情報活用能力を最もシンプルに云えば、脳内の活動として「入力(Input)」~「処理(Process)」~「出力(Output)」と考えられます。
新しい学習指導要領では、「資質・能力の育成」において、「各学校においては、生徒の発達の段階を考慮し、言語能力,情報活用能力(情報モラルを含む。)、問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力を育成していくことができるよう、各教科・科目等の特質を生かし、教科等横断的な視点から教育課程の編成を図るものとする。」と明記されています。
つまり、「語彙力」や「読解力」、「文章力」といった学びの基本能力と同様に「情報活用能力」が問われることになります。
「情報活用能力」には、まさに情報を活用する能力と、情報活用のためのツール(ICT機器やアプリ)を使いこなす能力があります。
2. 本校でのiPadを活用した「情報活用能力」とは
【「情報を活用する力」とは】
本校でのiPadを活用した「情報活用能力」とは、次の二つの活動を自身の手で高めていくことを目標にしています。
(1)情報伝達のために文章、画像、動画、描画などを利用してコンテンツを作成する。
(2)課題解決または自己表現のための情報をインターネットで収集し、企画・構成して、プレゼンテーションする。それを元に個人で発表したりグループワークをしてチームでまとめて発信する。
さらに「情報を活用する力」の学びや発表の段階では、次の情報リテラシーを理解し自分の生活で自ら主体的に判断できる力を育てていくこと。と本校では考えています。
・SNS(LINE、Twitter、Facebook、Instagramなど)やブログ、メール等の個人のスマートフォンなどを使用しての情報発信には正しい情報モラルを持つこと。
・流通する情報の価値、真贋を判断するためには、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、インターネットなど情報発信媒体の成り立ちや構造を理解すること。
・インターネット等を利用したネットショップや金融決済、個人情報の提供システムを理解し、セキュリティ管理のためのIDやパスワードを適切に管理、利用し、詐欺などの被害に遭わないようにすること。
・「クラウドサービス」「AI」「ロボット」「IoT」「ビッグデータ」等の仕組みと自分自身の生活との関連性に関心を持つこと。
◆本校のICT教育ミニリーフに示した本校のICT目標
❶ もっとh深く、楽しく、効率よく学ぶ
❷ もっと上手に、創造的に、優しく伝える
❸ もっと確かに、温かく、互いに解りあう
【今後の課題「情報活用力を使いこなす力をより高めていくために」】
課題1 CBT入試に対応するキーボードタイピングの力を身につけていく。
・今後の大学入試改革では大学受験にCBTが導入されると言われています。
(CBTとはComputer Based Testing=コンピュータを使用したテストのことで、タイピングでは10分間に600字程度の文章が正確に入力・編集出来ることを前提とした問題)
iPadでは標準キーボードが装備されていますので、タイピングの力もタブレットの活用頻度に比例し使いこなす力も増していきます。
課題2 情報科での学びを「情報を活用する力」の活用の際にいつも意識する。
教科「情報」に示された「情報活用能力」とは、「情報活用の実践力」、「情報の科学的な理解」、「情報社会に参画する態度」の3点と述べています。整理すると、
1)「情報活用の実践力」とは、課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含めて、必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し,受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力のこと。
2)「情報の科学的な理解」とは、情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解と、情報を適切に扱ったり、自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解のこと。
3)「情報社会に参画する態度」とは、社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響を理解し、情報モラルの必要性や情報に対する責任について考え、望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度のこと。
とされています。
本校がiPad導入時に定めた「seitoku リテラシー」は、必要な情報を集め、情報を取捨選択したり組み合わせたり、加工したり考えて処理することや、社会のルールに従って、訴求対象(=伝えたい相手)に伝わり易いように工夫して伝えていくことを考えたものなのです。