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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

春の嵐8-政治家マキャベリの初陣

2019.08.02 11:33

1499年、フィレンツェ共和国がピサに侵攻した。フィレンツェはピサを支配していたが、シャルル8世がフィレンツェに進軍したとき、講和条件としてピサを手放したのである。このピサ攻めの兵站を行ったのは、前年にフィレンツェの書記となったマキャベリである。

仏王ルイ12世は、フィレンツェが仏軍のミラノ占領を容認し、軍資金を援助することで、ピサ攻めを了解し、スイス傭兵の援助を行った。ところが、フィレンツェ軍はまるで寄せ集めの兵なので、却って報酬が安いと反乱を起こし、ピサ攻めは失敗に終わり、その事後処理のため、マキャベリはフランスへ赴いた。

1500年7月、マキャベリはルイ12世と会見するが、仏王は強硬にピサ攻めを援助するからもっと軍資金をよこせと言った。その頃チェーザレがロマーニャを制圧し、フィレンツェを狙う構えを見せていたため、その保障の意味で金を払わざるを得なかった。マキャベリは、ここで大国の洗礼を受けたのである。

この滞在で、マキャベリはルーアンの枢機卿ダンボアーズと議論し、この時期ではフランスが教皇アレクサンデルを支持して軍事化するのを批判している、後にユリウス2世は評価するのだが。そして「イタリア人は戦争の仕方を知らない」と言われて「フランス人は統治の仕方を知らない」と言い返した。

下はフィレンツェウフィッツィ美術館のマキャベリ像