【ネタバレ】映画『ピンクとグレー』を観ました【感想】
ピンクとグレー観てきました。
少し感想を書きたいのですが、今回は「20代の一般女性として」と、「ジャニヲタ女子として」の2種類の自分で書こうと思います。
当たり前ですがネタバレを含みますので、観る予定があってまだ観ていない方はUターン。
ピンクとグレー感想~20代一般女性の場合~
私のスペック
・20代一般女性m*
・社会人
・2014年頃からミーハー的に菅田将暉がなんとなく好き
・原作小説は発売直後に読了
62分後の衝撃と何度も謳われたCMや宣伝により、62分後には何かが起こるのだろうなということと、原作とは少し違うということを前情報として取り入れた上で映画を観た。
出演者は、中島裕翔、菅田将暉、夏帆しか知らなかった。
最初は、原作通りの青春群像劇。リバちゃんとごっち、それにサリーは仲が良く、少し甘酸っぱい関係性。ある日リバちゃんとごっちはスカウトされる。爽やかすぎる学生時代から、芸能界でごっち1人がどんどん売れていくことから徐々に関係が歪んでいく様は辛い。
そしてついに、ごっち…俳優・白木蓮吾の自死の発見者となってしまったリバちゃんは、遺書を見つけて彼の最期を作り始める…ところで、シーンは一転、グレーの世界になる。
カットがかかり、リバちゃんは映画をオールアップ。そう、今まで私たちが見せられていた「何とも分かりやすい」62分間は、リバちゃんが亡きごっちを演じる映画の中の映画『ピンクとグレー』であったのだ。
現実に戻ったリバちゃん(裕翔くん)は突然死んでしまった大人気俳優の蓮吾の残した仕事で有名になる。現実のサリーは映画のサリーに比べてうんと地味で、サリー役女優はビッチだし、さっきまで冴えないけど憎めないリバちゃんだと思っていた菅田将暉は軽くてゲスい俳優・成瀬凌だった。
成瀬がリバちゃんに言うんです。「良い映画ですよ。ねぇ。こんな映画何もしなくても売れます。でも、現実はこんなキレイじゃなかったでしょ?」
ここの菅田将暉が!ゲスいのなんの!
今までダメ男だけど切ないリバちゃんだったのにこんなゲスの極みお…じゃないゲスい男だったなんて!騙された!と思わせるのはさすがのカラクリ。
しかもこの台詞を人気若手俳優に言わせてしまう行定勲監督もすごいなと。そして相手役はジャニーズの現役アイドル。もしかしたら色んな皮肉も込められているのかもしれません。
だって確かに、最初の62分だけでも、彼らの「ファン」と呼ばれる人たちならきっと観るもの。観て、よかった~感動した~ときっと言うもの。ねぇ?(成瀬がうつる…)
リバちゃんが白木蓮吾を追って、汚れて汚れて、病んで、最後の支えのサリーさえも失ってしまいそうになる。
酒に任せて成瀬を襲い、それでも逃げることはできない。
そんな時リバちゃんは、ごっちの姉のビデオの真相を知ることになる。
白木蓮吾を追って首をかけたが死にきれなかったリバちゃんの前に、1人ピンクの世界のごっちが現れる。蓮吾にはなれないと知ったリバちゃん。世界は色づき、また新しい朝が来る。
…うーん。最後は救われたのか、救われなかったのか。
とりあえず後半はほとんど原作とは違います。クライマックスだって違う。そもそも原作のクライマックスが、映画では62分の切り替え位置にきてますから。
でも、映画としての評価云々はおいといて(というか専門的知識も芸術的感性もないので評価なんて無理)、映画としてとても上手くできているなと思いました。
だってこれ映画でしかできないもんね。ドラマなら、62分までになんじゃこれって途中でチャンネル替えられちゃうもん(笑)
この「騙された」を体感するのは小説以外では映画しか、それも劇場でしかできない気がする。
原作はあくまで「原作」として、ここまで上手くアレンジして一つの作品に仕上げたのは純粋にすごいと思ったし、キャストから何から含めてとてつもない挑戦的な何かを感じました。
ただ、62分以降の間延び感はレビューでも見るように確かに否めなかったなあ。それが現実ってことなのかもしれないけど。
あと最後のごっちとの会話は蛇足だったかなと自分は思いました。
ところで菅田将暉くんは本当にさすがだし、最初は本当に冴えないの。
そりゃだめだわリバちゃん!ってみんな思うもんね。でも彼は、映画の中でも俳優だったわけで。
成瀬になってからがほんとに!ムカつく!
でも正しいの!すごいな!!
中島裕翔くんは綺麗だった。
何着てても、おっぱいに囲まれても、ベッドシーンをしても、人を殴りつけてもすごく美しかった。
強いて言えば美しすぎたんで、後半はもっと汚れてもよかったのではと思ったけどたぶん彼は元々が美しすぎるんだな。
夏帆ちゃんは!もう!
夏帆ちゃんんんん!みたいな(笑)
すごい。ただちょっとオーバーだったかも。あの内容なら後半はもっと自然でもよかった。かな。
私が第一に思った「配役逆じゃね?」は見事62分後に叶えられるし、でも見事に騙される。
そして最後に残る台詞「しょーもな。」
この映画、この話、もしかするととっても「しょーもない」。なんじゃそりゃ。ってことばかり。62分後からの間延び感は、もしかしたら「しょーもない」現実を映していたのかも。
でも、なんだろうか、騙された自分含めてとにかく滑稽で、無様で、馬鹿だ。
これは映画というより、エンターテイメント。テーマパークのアトラクションと同じ部類である。
しかけのあと、自分含め騙されたと静まり返り脳内をフル回転させる空気感含めてこの映画なのだと思った。
ところで、原作とは伝えたいこと?が全く違うんだなとは思った。
原作ではリバちゃんはたぶん死ぬ。映画ではリバちゃんは死ねなくて、ごっちにはなれなくて、しょーもない現実に戻される。
そこが違うのにどっちも楽しめる作品は貴重だと思った(笑)
ただ、原作の死ぬオチの方がリバちゃんは救われる気がするし、映画でついに現実から出られないリバちゃんの方が残酷な気がするのはなんでだろう。
世界が色づくのが唯一の救いか。。
最後、アジカンの主題歌が終わって会場が明るくなるまで、しばらく誰も立ち上がらず静寂が続く様は凄かった。
作品の良し悪しより、こういう、会場全てを巻き込むエンターテインメントが楽しい…というかなんというか、いいなと思いました。
ピンクとグレー感想~ジャニヲタ女子の場合~
私のスペック
・20歳を超えてから本格的にジャニーズにはまる。現在はジャニーズWESTを応援中。
・社会人
・自担や自担Gメンバーにはもっと演技仕事をしてほしいと思っている。
・原作小説はNEWS加藤くんの処女作ということで発売直後に買って読破。
ジャニーズの出演する映画って、観る前から批判されることが多い。
気持ちはわからなくもない。昔自分もジャニアンチ期があったから。理由はわからないけど、とにかくジャニーズというだけで批判したくなる。たぶん一種の嫉妬心なんだろうけど。
で、今回この映画は、原作者がジャニーズで主演がジャニーズで、舞台が芸能界で…という、聞くだけならなんてアイドル映画だよ(笑)ってなると思う。
でも観たらわかる。
この作品はジャニーズが原作者でジャニーズが主演だから楽しめる映画なのだと。
だってめちゃめちゃ皮肉なんだもん。
アイドルに、人気俳優に、それ言わせる?そんなことさせる?の連続。
アイドルファンとしてはこの作品の主演の裕翔くんがただただ羨ましかった。
裕翔くんは、驚くほどに美しい。
汚れた役でも汚れきれない美しさが、また皮肉だった。
どれだけ現実を演じても、アイドルの彼は美しすぎた。
でもだからこそ、裕翔くんがリバちゃんを演じる意味はあったなと思う。
正直、ジャニーズアイドルの子たちって、元からタレントや俳優として他の事務所にいたらここまで登りつめれるかと聞かれたら、結構厳しいと思う。
裕翔くんと柳楽優弥なら、やっぱり柳楽優弥が俳優として売れていくと思う。
リバちゃんが白木蓮吾の死をきっかけに注目されたのと同じように、結局ジャニーズです!って猛プッシュされればそれなりに認識される。ジャニーズというブランド力だし、ジャニーズという環境がそうさせると思う。
そういう意味で裕翔くんのリバちゃんはハマり役だし、皮肉だなとも思う。だから説得力もあるんだけど。
これが、リバちゃんまで人気実力派俳優がやってしまうと、ちゃんと汚れられるだろうけどここまでの皮肉は感じなかった。かといって、アイドル的な少々大根気味の人気俳優を使ってしまうと笑えなくなるわけで。。
ジャニーズって、決して大根ばっかりなわけではないと思うんですよ。
でも、露出やバラエティ、歌とかあらゆるイメージがある分、みんなどこかにアイドルを感じながら見てしまうことも多いと思うんですよね。
それが今回は効いていたかなと。。
何が言いたいかよくわからんけど、とりあえずこの作品で主演できた裕翔くん超うらやま!ということで(笑)
我が軍にも俳優業がんばってほしいぜ~~
特に濱田くんはジャニーズ臭消せる人だからね(笑)
演技仕事楽しみ!!