【感想】『ライオンのあとで』観劇しました
めちゃくちゃ今更感ありますが『ライオンのあとで』観劇しました~!!
初EX。初・生黒柳徹子さん。
地下に下がっていく感じが新鮮だった~!
徹子さんグッズもあり、色々と新鮮でした
舞台は、徹子さんが毎年やってきた海外コメディシリーズのファイナル。
そんな記念すべき公演に、『アマデウス』を観た関係者に抜擢された照史くんはやっぱり凄いなあと思いました。
いや、私が関係者でもこの人使いたい!って絶対思うけどさ!(誰やねん)
30年続いたシリーズのファイナルとか、襲名前最後の現代劇とか、大御所の岐路となる公演に、もちろん集客のこともあるのでしょうけど、それを含めて実力で選ばれる照史くんが本当に誇り。
内容は、フランスの舞台女優・サラベルナールのお話。
ミュシャのイラストなどでも知られています。
照史くんは、サラの足を切断手術することになった軍医・デヌーセ役。
軍服のデヌーセ、めちゃくちゃ逞しかった。
マリウスの時はめちゃくちゃ絞っていたと思うので、たぶんその後からすごい気合い入れて身体作ったんだろうな~。。
照史くんて意外と肩幅とか狭いイメージだったけど、胸周りがすごく分厚くなってて…なんかすごい…キュンとしました…(ため息)
軍医であるし、人気女優の足を切断しなければならないとあって、めちゃくちゃ口調が硬くてシンプル。
だけどそれをサラに指摘されてからだんだんくだけていって、なんならサラの大ファンだっていうことを語り出す感じ、めちゃくちゃよかった。
あと、徹子さんが下ネタ言ってる…!ってシーンがあって(おぼろげ)新鮮だったほんとに。
照れるデヌーセ少佐がかわいい
ピトー役の大森さんはめちゃくちゃお茶目だけど憎めない道化とも言えるピトーをものすごく自由に、魅力的に演じてて楽しそうだったな~。
そして阿知波さん!!
素敵だった、、ある意味一番人間らしくてふつうの感覚があって、サラに振り回されながらも健気に尽くしていて共感できたなぁ。
一幕最後はデヌーセが戦地へ行き、サラが慰問した時には戦いに倒れていて…
二幕になると、デヌーセはサラの家に引き取られていた。
というのも、頭上で爆弾が炸裂した影響で脳に重い障害を受け、まるで幼い子どものようになってしまっていたのです。
これが照史くんの言っていた「一幕と二幕で全然違う演技をしている」だったんだなと。
あんなに厳格だったデヌーセが、サラやピトーに甘えながら、リハビリや情緒の安定のために編み物を与えられ、守られている。
サラを救った医者が、サラに救われ保護されている。この関係性も180°変わってしまっていることが、とても切なくて、しかし愛おしかった。
そして、"『アマデウス』を観た関係者"が照史くんをキャスティングした理由も、ここで分かった気がしました。
アマデウスのラストシーン、心身ともに疲れ果て、まるで子どものように弱々しく振る舞うモーツァルト。
あのシーンが蘇るようでした。
大女優として名を馳せ、足を切断したサラに舞い込んできた仕事は"サーカス"。
出番はライオンのあと、ゾウの前。
ここでようやく『ライオンのあとで』のタイトル回収。なるほどとても切ないタイトルだったのだなと、この時は思いました。
案の定、葛藤する面々でしたが、最後には「やってやろうじゃないの」とサラ。
数々の過去の栄光や名声を捨て、舞台女優としての純粋な誇りを胸に立ち上がるサラ。
そして、そんなサラの気持ちに寄り添うように、かつて観劇した舞台のセリフを思い出していくデヌーセ。
最後は、"ライオンのあとで"サーカスに立つサラの力強い演目(の練習?)で舞台は終了。
最後まで見終わったとき、途中思った「切ないタイトルだったのだ」という思いは変わり、「切なくも力強く熱いタイトルだ」という印象となりました。
正直、解釈はかなり難しいです。
どういう舞台?と言われると、私はなかなか難しいなと思いました。
けど、少なくとも私なりには、かつて舞台女優として人気を誇ったサラの、足を失い見世物扱いをされ一時は転落とも思える挫折を味わっても、最後には女優としての執念と誇りを持って立ち上がる姿が、なんだかすごく爽やかで、人間らしくて、スカッとしました。
そして、デヌーセ。
誰もが嫌がった大女優の足の切断手術をし、リハビリの厳しさに落ち込むサラに辛い感情もぶつけられ、しかし戦地で傷つきまるで別人のようになってしまう。
救ったはずのサラに救われ、世話をされる姿は、なかなか心に刺さるものがありました。
それでも、彼の中のどこかにあるかつての彼の姿を、サラの女優としての活躍が引き出していく描写は、どんな人間も誰かを支え、誰かに支えられていることや、どんな人間も必ず導いてくれる光がある、というように思えました。
あと会話劇が面白かったなー。
徹子さん、ほんとまんまだった(笑)
だけど、それで成立しているのが徹子さんのすごいところでもあるのだろうな。
なんだかもう、内容とかそういうことも大事ですけど、舞台の上に立つ徹子さん自身のエネルギーがすごかった。
好きなことを、やりたいことを、ずっとやり続ける勇気と力と精神みたいなものが、あの舞台上にはあったように思います。
いいものを、観たなあ。