ダイニックアストロパーク天究館(1)
2019年8月3日、滋賀県犬上郡多賀町にある、ダイニックアストロパーク天究館を訪ねました。この施設は、株式会社ダイニックの社会貢献事業として、1987年に設立された民間初の公開型天文施設です。天究館創設者は、株式会社ダイニック元会長の坂部三次郎氏(1923-2001)です。坂部氏は、自身が変光星観測者であり、かつては天文学者を志したほどの天文愛好家でした。その坂部氏が、ジャワ日食(1983年6月11日)で天文熱が再燃し、若き日の夢を実現させたのがこの天究館です。
坂部氏が施設のモデルとして選んだのが、白河天体観測所。「白河天体観測所」(藤井旭著、誠文堂新光社)に、その時の様子が記載されています。建物の感じや、屋上に並ぶ小型望遠鏡のコンクリート基部が、写真で見た白河天体観測所にとてもよく似ていると私は思いました。
天究館のメインの機材は、60cm反射望遠鏡(カセ・ニュートン式、苗村鏡、西村製作所製ドイツ式赤道儀)です。サブスコープの20cm屈折望遠鏡レンズも、苗村氏が研磨されたものです。太陽プロミネンス用の12cm屈折望遠鏡は、村山定男氏がレンズを研磨されたものです。これには、DAYSTAR社のプロミネンスフィルター(非常に高価、とてもよく見えた)が付けられていました。
今の運営はボランティア(星の友の会)の方に委ねられており、開館は土曜日のみです。
ボランティアの方に、日中のシリウスを見せていただきました。白っぽい空でしたが、視野内にくっきりとシリウスの輝きが見えました。60cmの集光力を感じました。
(8枚目写真:60cm反射望遠鏡と12cm屈折望遠鏡、9枚目:60cm反射望遠鏡と20cm屈折望遠鏡、10枚目:60cm反射望遠鏡用ドームとプラネタリウム用ドーム[赤いドーム]、11枚目:屋上に並ぶ小型望遠鏡のコンクリート基部、参照:ウィキペディア、「白河天体観測所」(藤井旭著、誠文堂新光社)、ダイニックアストロパーク天究館HP、天究館へは車[名神高速彦根インターから国道306号経由、多賀交差点を左折(10分)]、JR彦根駅から湖国バス多賀町役場行きで「アストロパーク天究館前」25分乗車、下車すぐ。昼食はJR彦根駅前の八千代がオススメです。近江牛スジ肉がたっぷり入ったカレーうどん[ライスサービス]930円絶品でした。)