Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

ラスベガスジャパンタイムス8月号【稽古】

2019.08.05 09:02

稽古(けいこ)

今回は、サムライが作った、日本の芸術と呼ばれている剣道の「心」について、ほんの少しだけお話します。

さて、全てのスポーツや武道では、試合で勝つと喜びます。ところで、信じられないかもしれませんが、剣道では、勝って喜ぶことは、悪いことだと教えています。剣道には、勝ってガッツポーズなどの、喜びのパフォーマンスをすると、勝ちが取り消されるというルールがあります。このようなルールは、世界中で、剣道だけです。

剣道は、肉体の強さを求めるのではなく、精神の強さを高めるための【修行】です。だから、剣道の試合は、相手からポイントを奪って、自分の強さを証明することが目的ではなく、相手にポイントを入れられたとき、自分の心の弱さを発見することが、目的なのです。

そして、剣道には、「打って反省、打たれて感謝」という言葉があります。

その意味は、相手にポイントを入れた場合は、今のポイントより、もっと良いポイントの取りかたは、なかったのか【反省】しなさい。

反対に、ポイントを入れられた場合は、ああ、そこが自分の弱点だったのか、教えてくれてありがとう、と【感謝】しなさい。ということです。

【反省】と【感謝】を土台にして、明日のために、さらに高いレベルの精神を養う。これが、剣道の【稽古】と呼ばれる修行方法です。【稽古】とは、過去を考えるという意味です。