ZIPANG-3 TOKIO 2020 ふるさとの棚田巡りませんか⁉「あなたのふるさとへ~日本の原風景 棚田巡礼の旅~」
本日は八月六日。
世界的に忘れてはならない初めての原子爆弾が広島に投下された日です。改めて人類の平和と子孫の繁栄を祈念し黙祷を捧げるものです。
また、
はじめに 記事をお届けするに当たり、この度の九州豪雨と山形沖の地震災害、並びに近年の北海道・関西地方、並びに中国四国・九州地方他、多くの大雨・地震災害で未だ行方不明、並びに亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。
農林水産省では、都道府県の担当者に呼びかけ、棚田地域を盛り上げ、棚田の保全に繋げる第一歩として、平成30年秋に「棚田カードプロジェクトチーム」を立ち上げました。
棚田カードプロジェクトチームでは、棚田をご存知の方はもちろん、棚田を知らない方、馴染みのない方にも棚田の魅力を「行って」「見て」「知って」もらいたい、そして棚田を含む地域活性化に役立ってほしいという想いで「棚田カード」を作成しました。
「秘境度」が深まる美しい棚田巡り
棚田カードの他にも、棚田をめぐるツールとして、棚田カードを作成した地域を一覧にした「棚田めぐりマップ」、棚田地域の活動や行事、周辺情報、アクセス情報などが記載されている「棚田めぐりガイド」もあります。棚田めぐりガイドには、棚田カードの収納ケースもついているほか、市街地から棚田地域までの車での所要時間を星の数で表している「秘境度」を表示しています。
また、多くの方に「棚田に来てほしい」、そして「棚田に恋してほしい」という想いを掛け「棚田に恋」というキャッチフレーズでPRなどを展開していきます。
日本の原風景と言われている棚田。
美味しいお米や地域の食材、棚田の作り出す美しい風景や歴史。また、時間や季節で違う顔を見せる棚田をめぐりませんか?
棚田訪問の3原則
1.農作業の迷惑にならないようにしよう!農家の方に会ったら挨拶を!
2.棚田の畦道や水路は農家の命!勝手に入らないように!
3.写真撮影やSNSへの投稿には最低限のマナーを守ろう!
本号では、
名勝「姨捨(田毎の月)」(おばすて たごとのつき)をご紹介します。
姨捨棚田 稲刈り 秋の夕暮れ時です
姨捨棚田と千曲川の景観
長野県川上村を源流とした小さな流れが千曲川となる。さらに流れは秘境・栄村秋山郷を潤し、県境を越え新潟へ、大河・信濃川となり、日本海に至る・・・
千曲川源流(川上村)~秘境・栄村秋山郷~信濃川(新潟)をご案内します。
どこの郷も夏は大変に涼しいですよ・・・
長野県川上村千曲川源流。兎に角水が美味しい!また、珍しい日本狼の血を引いた川上犬が飼われています。希望者に分けてもらえるとのことですが、気候が合わないと飼うことが出来ないそうです。
「栄村秋山郷」赤沢周辺 屋敷地域から小赤沢集落を望む。
兎に角雪が深く各戸には外階段があり、冬は2階から出入します。
明治になり他府県から栄村を訪ねた人が「源氏はまだ元気か」と聞かれたとか⁉ ・・・こと程左様に一旦脚を踏み入れると、冗談とは思えない次元を超えた奥深さ。それでも大自然のなかで癒され・たらふく食べて・いっぱい遊べる!
源義経が感嘆したという大自然を満喫してください!
新潟市内の夜景。左下が信濃川に架かる万代橋。
そういえば、8月11日~13日まで恒例の新潟まつりが始まります~お待ちしています!
話が少し横道にそれてしまったので「姨捨の棚田」に戻りす(関連してますが…)
姨捨の棚田
姨捨の棚田は、我が国で初めて文化財指定を受けた農耕地、棚田が織り成す文化的景観です
「俤や 姥ひとり泣く 月の友」 松尾芭蕉
(おもかげや うばひとりなく つきのとも)
現在の姨捨は,冠着山(1,252m)や三峰山(1,131m)などを中心とする聖山高原が善光寺平に臨む北東面の傾斜地のうち,標高約460mから約560mの範囲こ展開する約25haの棚田地帯。棚田地帯中央を千曲川の支流である更級川が北流し,三峰山から地滑りによって堆積し安山岩風化粘土の混ざる砂礫層をを深く浸食しています。
この地滑りによって発生した姨石,姪石,子袋石,甥石などの顕著な巨石が棚田地域に散在しています。
姨捨の棚田は,元禄10年(1697)に上流の大池から水を導くために廃水堰を建設したのに伴って開発されたものと伝えられ、安永6年(1777)の大池普請(改勧)までには大池堰水系で約42haが開田されています。
明治10年(1877)には約85haにまで増加し,ほぼ現在見る棚田地域が完成したものと考えられ約1,500枚の棚田が残っています。
16世紀半ばから造られていった棚田は、特に江戸時代には文学・絵画の題材に取り上げられるなど、文化的景観の優れたものとして指定されています。
観月の名所「姨捨山の月」
姨捨の棚田地域から南に展開する冠者山を含めた姨捨山の一帯は,平安時代頃から観月の名所として名高く,『古今和歌集』(905年)に初めて「姨捨山の月」と歌に詠まれ「わが心なぐさめかねつさらしなや姨捨山にてる月を見て」を最古の例として,『更級日記』や『新古今和歌集』などにも月を詠んだ約40首余りの和歌が撰じられています。
「姨捨の田毎の月」の由来
天正6年(1578)の製作とされる狂言本『木賊』には姨捨の「田毎の月」が初めて登場し,江戸時代になると棚田開発が大きく進展するのに伴って、姨捨山だけでなく棚田の一枚一枚の水田に映る月かげが俳諧や紀行文の題材として注目されとりわけ,芭蕉の詠んだ「おもかげや姥ひとりなく月の友」の俳句が,長楽寺境内に遺存する明和6年(1769)の紀年銘を持つ「芭蕉翁面影塚」なる石碑に刻まれて今日に伝えられているほか、安政年間以前の建立と考えられる別の句碑には、江戸時代の画家であった景山三千香が天保3~4年(1832~33)頃に月待ちのひとときを詠んだと思われる「青空を田島のいろや夕日影」の俳句が刻まれています。
俳諧だけでなく,「冠着山・更級川・姨石(おばいし)・姪石(めいし)・甥石(おいし)・小袋石(こぶくろいし)」など,姨捨を構成する13の風景や景物を措いた『信州更級郡姨捨山十三景之図』や『放光院長楽寺十三景之図』(『善光寺道名所図会』所収),あるいは観月の名所として痍捨の千枚田を情緒深く描く『信濃更科田毎月鏡台山』(歌川広重『六十余州名所図会』所収)など,旅行や紀行のための絵画テーマとしても「姨捨の田毎の月」はさらに広く知られるようになったのです。
近代には、平安時代の物語文学である「大和物語」に題材を得た井上靖の「姥捨」をはじめとして、農村の貧困状態を背景とする老女の遺棄伝説の舞台としても紹介されたのでした。たが、堀辰雄の「姨捨記」にも代表されるように月の名所としての名声は衰えませんでした。
このような,姨捨における伝統的な「田毎の月」の景観を保護するために,姨石や芭蕉の句碑などが残る長楽寺一帯と、そこから望まれる四十八枚田と姪石を展望地点として,そこからの望むことの可能な約3haの棚田地域,追加指定の上姪石地域の4地区を,それぞれ名勝に指定して保存を図っています。
参考(以前に当サイトでご紹介した奥出雲「黄金に輝くいなた」は、下記リンク記事
にてご照覧ください。)
ZIPANG-3 TOKIO 2020「神々からの贈り物 『奥の地』 奥出雲町の文化的景観とは【第三話】黄金に輝くいなた」
予告
当Webサイトでは、次回以降独自の目線で、地域や大小を問わず全国各地で営まれている
日本の原風景巡礼~ふるさとの棚田景観と周辺の見どころ~を順次ご紹介してまいります。
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(順不同・敬称略)
農林水産省 〒100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1 電話:03-3502-8111(代表)
一般社団法人 信州千曲観光局
〒389-0821 長野県千曲市上山田温泉2-12-10 千曲市総合観光会館 電話026-261-0300
川上村役場〒384-1405 長野県南佐久郡川上村大字大深山525 電話番号:0267-97-2121
栄村秋山郷観光協会〒389-2702 長野県下水内郡栄村大字北信3586-4 TEL:0269-87-3333
公益社団法人 新潟県観光協会
〒950-8570 新潟県新潟市中央区新光町4番地1電話番号:025-283-1188
文化庁 〒100-8959 東京都千代田区霞が関3丁目2番2号 電話番号(代表) 03(5253)4111
※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。