画家のノート

色形の変化を大切に見守り 画肌を育てる…②

2019.08.08 20:50

つぶやき…

ゆっくりな色の楽しさ…♫

その扉を開けると! 

アレモコレモ  コレモアレモ 書きたいことが、たくさん ソラから降ってきます…笑 


前回からの続きです。

現在 (2019年) 、ゆっくりな色の描き方は、大きく2つに分けられます。

⒈ 海辺の砂をメインにアクリル絵の具とあわせ描く

 2. 海水をメインにアクリル絵の具とあわせ描く


前回は⒈  について書きました。

今回は⒉  について! 海水をメインにアクリル絵の具とあわせ描く…ゆっくりな色の作品の楽しさを、下記!3つをポイントに書きたいと思います。


⚫︎ 作品の色形の変化について

⚫︎ 色形の変化の見守り方について

⚫︎ 色形の変化によって生まれる画肌の育て方について


是非、お読みください。

◻️立体的な絵画/ やわらかな連なり 2019

右:海水メインの作品/ 2019〜

左:海辺の砂メインの作品/ 海 2011〜

※色形の変化を見守り 画肌を育てる楽しさ!は…イロイロです!





海水をメインにアクリル絵の具とあわせ描く…ゆっくりな色の作品!


絵筆で制作中…

海水を中心にアクリル絵の具とあわせ描いた場合は、絵筆で制作中、画布に色をおいた直後から!色形が変化していきます。

また、描き終え 絵筆を置いた後は、時間の経過(時間窯)の中で、作品の色形が大胆に変化していきます。 

筆で描き終えてから、半日の変化がとても大胆で、3日目あたりから!その作品の画肌の個性が芽生えます。早い時は、1日で個性が芽生えます!

※ゆっくりな色では、時間窯という言葉を使います。陶芸家が 窯の中の火によって!作品の色形をつくるように、私も 窯の中の時によって!色形をつくるので、その様な言葉を使っています。



時間窯スタート…

描き終え 絵筆を置いてからは、時間窯(時間の経過)の中で、作品の色形の変化を見守り続けていきます。

3時間後、半日後、1日後、3日後…2週間、1ヶ月、3ヶ月、半年の間隔で色形の変化を見守ります。

海水メインの作品は、色形の変化がとても早く!その変化は、柔らかで細やかな色形をつくり、奥行きのある独特の画肌をつくります。(変化により、筆のタッチは殆ど残りません。) 

時間窯の中で、再び絵筆を使い描く事は決してありません。

海辺の砂メインの作品の場合は、時間窯の中では、折々!画肌を感じながら、作品の置き方(環境)を変え!画肌を育てますが…

海水メインの作品の場合は、作品の多くは静かな場所・穏やかな環境に置いたまま!色形の変化や画肌が育っていく姿を見守ります。

大きな動き(色形の変化)を望む作品のみ、窓側の床に並べ、自然の光・風 ・海・から届くものに触れさせます。

繊細に感じる作品は、しばらく布をかけます。(画肌がしっかり乾いてから!)

※画肌とは、作品の色形の変化によって生じた、画布の表面の現れの事です。英語では、textureという言葉を用いています。



チカラをお借りして…

そして、小さな工夫をする!

※海辺の砂メインの作品と同様になります。


季節のチカラをお借りして、大切に色形の変化を見守り 画肌を育てます。

例えば、夏など気温が高いと 色形の変化は早いです。冬は気温が低く遅いです。また 冬は乾燥が強く、画肌が締まり硬くなります。 梅雨は湿度が高く、画肌は緩み柔らかくなります。後者は色形の変化を促しやすいです。

日本は季節があります。時々によってお借りできるチカラが変わります。日本の季節のチカラはとてもカラフルです!

※季節だけではなく、環境にもチカラがあります。その場所によって、光や音 気温や湿度が違います。環境のチカラもお借りします。


小さな工夫をする…♫

一時的に変化を遅らせたい!

画肌を眠らせたい!

画肌を目覚めさせたい!

細やかに変化させたい!

その様な場合は小さな工夫を楽しみます。

⚫︎大きな布を使う

布は、白い布と黒い布と2枚用意しています。4パターンで使い分け、作品に布を纏わせたり…♫ 裸にしたり…♫笑

特に光の調整を行いたい時に用います。

⚫︎ダンボール箱を使う

半年間〜2年ほど、ダンボールにしまう作品ももあります。ダンボールは、光や湿度や気温が保たれやすく、安定した環境の中で色形の変化を見守ることができます。

⚫︎お客様のご自宅やサロンに飾っていただく!

生活環境で、色形の変化を見守り育てる事もあります。※ホームステイによる積極的な色形の変化…いつか 画家のノートで書きます!

⚫︎アトリエ北側のダイニングの壁を使う

ダイニングの大きな壁は、常に♫ 作品が飾られています。ダイニングは北側にあり、わりと光が安定しています。生活音(空気)にふれながら変化させたい!その様な作品は、ダイニングの壁に飾り、色形の変化を見守り画肌を育てます。

⚫︎アトリエの壁を使う

アトリエは光や空気、気温や湿度が一定ではありません。不安定な環境を好む作品を飾ります。多くは一時的に使います。



イロイロ…♫

私は、その時々の作品の声!画肌の囁き…を感じながら、作品それぞれの置き方や置き場所を決めていきます。


決める時!大切にしているコトは、その作品の画肌の囁き…作品の声です。

海水を中心にアクリル絵の具にあわせ描く!ゆっくりな色の作品は、絵筆を置いてから(時間窯の中)は、なるべく自然のチカラに委ねます。

気温や湿度、光や音など…季節や環境のチカラをお借りするというより、季節や環境のチカラに委ねます。

結果として、小さな工夫も僅かしか行いません。

多くの作品は、最初の1年ぐらいで…画肌が育ち!個性が芽生えます。個性が芽生えたなら、その作品の個性を季節や環境に委ねて、小さな工夫はほどほどに…静かに見守る事を楽しみます。

色形の変化、画肌の成長を静かに見守る…その様な時間も とても楽しいです。




異なるスタンス!

海辺の砂メインのゆっくりな色は、自然や環境のチカラをお借りして!

海水メインのゆっくりな色は、自然や環境のチカラに委ねて!

異なるスタンス!が2つの世界がそれぞれの道を歩ませます。


重力の大きさが異なる2つの世界!

私は、その様な感覚で 2つの描き方を受けとめています。

◻️ 左: 海の上のダンデライオン(海水メイン)

     右: 貝のうた(海辺の砂メイン)



ゆっくりな色は… 

今年で10年になります。

現在、海水をメインに用いることで、そのありようが 大きく進化している最中です!

その大きな進化については、「進化する!ゆっくりな色」というタイトルで、画家のノートに書きたいと思います。


※ ミクロの世界!も 是非 お読みください。


知るという事の大切さ…


つぶやき…

海水とアクリル絵具と自然があわさり描かれた絵画 ♫

その画肌は、海になるまえの波の様で 言葉になるまえの音の様です。

その様な世界の美しさや優しさを、皆様に届けられたなら…嬉しいです。

是非! ゆっくりな色の絵画を直にふれてお楽しみください。

ゆっくりな色は、鴻来有希のオリジナルの世界です。


花を育てる様に…

家を育てる様に…

人を育てる様に…

変化を惜しみなく愛したい♫



◻️ゆっくりな色

海水で描く絵画!鴻来有希のオリジナルの世界です。

ゆっくりな色は、アクリル絵の具に海水などをあわせ描きます。

アクリル絵の具が海の恵み(ミネラル・微生物・細菌など) や光や空気の影響を受けることにより、画布の中の色形が変化し続けます。

その画肌は呼吸しているようです。

筆を手放してから、時間窯の中で色形がゆっくりと変化を続けるゆっくりな色の絵画は、ワインの様に…何年ものの色という表現でもお楽しみもいただけます。