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F.プーランク チェロとピアノのためのソナタ

2019.08.04 15:00

第37回直方谷尾美術館 室内楽定期演奏会の3曲目、前半最後の曲です。


こちらがその動画です。

 生粋のパリっ子、プーランクの手にかかると、こんなにもポップなチェロ作品が生まれるものでしょうか?

 プーランクは20世紀前半のフランスの作曲家の旗手によるフランス6人組の一人です。

 創作は歌劇、管弦楽、室内楽、バレー、歌曲など多分野におよびますが、歌曲を多く残したことから彼の音楽の本質は歌にあります。

 そのため器楽曲や室内楽曲においても旋律の美しさを第一とした開放的で軽妙洒脱な音楽を生み出し、ベートーヴェンらが築いた形式主義を退けたのでした。

 それは、彼が2つの世界大戦中に生きたゆえに、敵国ドイツへの反発を貫いたこともあります。

 ですので当夜の後半で聴くシューマンやベートーヴェンとは対極的な味わいを堪能していただけましょう。

 

 第1楽章は陽気な行進曲のリズムに乗って、多様な旋律が即興的、衝動的に次から次へと紡がれます。

 フランス人らしい気変わりの早さでしょうか。

 

 パリの夜には人の数だけラブロマンスがありますと言わんばかりの第2楽章。

 濃厚な情念をフランスらしい洗練さで語ります。 

 

 夜会のような賑わいを奏でる第3楽章。

 上機嫌なムードで満載です。

 

 そして終楽章。

 これまでは異なる展開を予感させる深刻な前奏が置かれますが、フランス人らしくそれを裏切って、音楽は惜しむことなく豪華絢爛に邁進していきます。