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落語家・柳亭市寿 WEB

ててれ

2019.08.06 14:59

本日は国立演芸場にて

柳家小満ん師匠の会「雪月花」に

鳴り物でお手伝いに参りました。



雪月花にちなんだ噺を毎回するという企画で

今回は十回目の最終回。


本日の前座は三遊亭歌つを。

開口一番「新聞記事」。

安定した高座で場を温めます。

ちなみにこの歌つを君、

私の9/28の昇進披露落語会にも

出演してくれるので

ご予約してくださったお客様はお楽しみに!


ここからが小満ん師匠の三席。


花・花見心中

雪・大仏餅

仲入り

月・名月若松城


ぴったりと袖で

みっちり勉強、思わず

うっとり心酔致しました。

情景が美しく

その雰囲気に引き込まれ

笑いどころが洒落ていて

嗚呼いつかこういう噺が出来たらなぁ、、

という私にとってのお手本です。

楽屋でも高座でも

小満ん師匠は変わらず

噺(話)をしてくれます。


一席目のマクラでふれていた話題、

国宝に指定されている

久隅守景筆「納涼図屏風」です。


(web国立博物館所蔵

http://www.emuseum.jp/detail/100160/000/000?mode=simple&  より引用)



この作品のインスパイア元が下記の歌。

「夕顔の さける軒端の下涼み 男はててれ 女はふたの物」


江戸の歌人・木下長嘯子(ちょうしょうし)が詠んだものだそうです。

この歌に出てくる「ててれ」というものが

襦袢(じゅばん)=寿伴  

ダネ、

という話を二年前に

前座の私にしてくれておりました。


そして今日の仲入りに楽屋で、

この話を私にふってくれるわけです。

以前のことを覚えてくださっている上に

下っ端の私にも

想い出を作ってくださるというのが有難いです。


打ち上げは銀座。

ビールと美食に舌鼓をうち

帰りの電車では夏目漱石のエピソード。

この漱石に関連する話も

一年前に電車内でしてくれているのです。

それを覚えてくださっている!

うーん、

男が惚れる男。笑


柳家小満ん師匠は

噺家が憧れる噺家といわれています。

私なぞ、そのほんの一部でありますが、

理由は明らかですね。


かっこ良さとは

センスの表出であります。