ててれ
本日は国立演芸場にて
柳家小満ん師匠の会「雪月花」に
鳴り物でお手伝いに参りました。
雪月花にちなんだ噺を毎回するという企画で
今回は十回目の最終回。
本日の前座は三遊亭歌つを。
開口一番「新聞記事」。
安定した高座で場を温めます。
ちなみにこの歌つを君、
私の9/28の昇進披露落語会にも
出演してくれるので
ご予約してくださったお客様はお楽しみに!
ここからが小満ん師匠の三席。
花・花見心中
雪・大仏餅
仲入り
月・名月若松城
ぴったりと袖で
みっちり勉強、思わず
うっとり心酔致しました。
情景が美しく
その雰囲気に引き込まれ
笑いどころが洒落ていて
嗚呼いつかこういう噺が出来たらなぁ、、
という私にとってのお手本です。
楽屋でも高座でも
小満ん師匠は変わらず
噺(話)をしてくれます。
一席目のマクラでふれていた話題、
国宝に指定されている
久隅守景筆「納涼図屏風」です。
(web国立博物館所蔵
http://www.emuseum.jp/detail/100160/000/000?mode=simple& より引用)
この作品のインスパイア元が下記の歌。
「夕顔の さける軒端の下涼み 男はててれ 女はふたの物」
江戸の歌人・木下長嘯子(ちょうしょうし)が詠んだものだそうです。
この歌に出てくる「ててれ」というものが
襦袢(じゅばん)=寿伴
ダネ、
という話を二年前に
前座の私にしてくれておりました。
そして今日の仲入りに楽屋で、
この話を私にふってくれるわけです。
以前のことを覚えてくださっている上に
下っ端の私にも
想い出を作ってくださるというのが有難いです。
打ち上げは銀座。
ビールと美食に舌鼓をうち
帰りの電車では夏目漱石のエピソード。
この漱石に関連する話も
一年前に電車内でしてくれているのです。
それを覚えてくださっている!
うーん、
男が惚れる男。笑
柳家小満ん師匠は
噺家が憧れる噺家といわれています。
私なぞ、そのほんの一部でありますが、
理由は明らかですね。
かっこ良さとは
センスの表出であります。