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aya-kobayashi-manita 's 翻訳 Try It ! ~pupils with heart~

季節はずれのシクラメン ~ちょっとプライベート~

2019.08.11 22:18

シクラメンが咲いていた。

次の冬までこちらに置いておこうねと、移しておいた物置きの影で、

気が付いたらひっそりと。


暑すぎる夏の、不思議過ぎる出来事。


主人に聞いてもらいたくて、私は写真を見せながらはしゃぐのに、君はガダルカナルの真実なんて、テレビの方ばかりじっと見ている。

仕方ないから、そんな遠くの話しの事より、私は、君の隣で、ただスマホをいじって『季節はずれ』という単語を探していた。

季節はずれのシクラメン。

Cyclamen bloomed out of season、unseasonable Cyclamen、どう単語を打っても、自動翻訳では間違えを起こす。

やっぱり自動翻訳は駄目ねえ、人間の詩的な文章や、デリケートな感情は、やっぱり人間の手で訳さないとねえ、

なんて、小さなスマホという機械に焦りを掻き立てられて、闘いを挑んでは、これまた小さな勝利を感じて、小さな優越感に満足する、また小さな私。

テレビでは、ガダルカナルでの兵隊達を描いた再現ドラマが流れている。

私の隣で、それを真剣に見ている主人。


季節はずれのシクラメン。

それは、何かの予兆?

暑すぎる夏の、不思議過ぎる出来事。

生命の神秘。

こんな真夏に、咲きたい咲きたいと、ひっそり産まれた可愛い子達。

愛おし過ぎて、目が離せなかった。

「ありがとう。」

この感動に、人知れず感謝する。


私は、この小さなシクラメンみたいに、小さな奇跡を望んでいいの?

お腹の中の赤ちゃんと一緒に。

これから産まれてくる、この小さな命と、ほんの些細な幸せを。


どうか、無事、元気に産まれてきてくれますように。

そして、この先、百年、ううん、この子の子供の時代まで、その先、またその子の子供の時代まで、またその先ずーっと、ずーっと、要するに、永遠に、平和な世の中で、皆、笑顔で、幸せに、暮らしてゆけますように。


誰もが願う、あたりまえのようなこの小さな想い。

だけど、なぜだか、何百年も、何千年も、守られる事はない。それどころか、反省しても、繰り返し、また反省しても、繰り返す。機械は駄目だと言っても、これでは人間も、もしかしたらそれ以上に、駄目ではないか。お花の方が、よっぽど自分から幸せを与えてくれるのではないか。よっぽど自分から思いがけない奇跡を与えてくれるのではないか。自然にしていれば、生命は、こんなにも、優しい。優しい。


偶然にも、シクラメンの花言葉は、色によってそれぞれではあるらしいが、全体としては「遠慮」「内気」「気後れ」「はにかみ」だそうだ。見た目の、情熱的にも思える、燃えるような熱い濃い色合いからは想像し得なかった、なんと慎ましやかで謙虚な意味合いを持つ花だったことか。小粒でも非常に強い色の中に、とても楚々とした愛情を内包している、そんな健気なお花が、しかも静かな冬までそっと待ってていいよと言うのに、、、何を伝えてくれようとして、何を届けてくれようとして、、、今、自ら花咲いてくれたのか。


どうか、もう二度と、人間が傷つけ合ったりしないよう。もう二度と、自分勝手な戦いを引き起こしたりしないよう。


真夏に、小さく祈った。