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許認可・法務  al&la  行政書士 井原法務事務所

起業とお金、調達

2019.11.13 23:25

昔から「男と生まれたからには、起業して金儲けがしたい」と言うのがよく言われます。

日本では,日々企業が生まれては消えていく中で、起業(年間20万件とも、会社設立は11万件とも言われています)し、休廃業解散及び倒産※1をしています。(西欧に比べるとものすごく低いそうです)

正確には、開業率が廃業率を下回り、開業数は捕らえることが難しく、開廃業率と言う割合から示されていると言います。

ただし、昨今は、その中でも、情報通信業・医療・福祉の開業率は伸びているものの全体的には、低減していると言います。

※12016年度中小企業庁発表では、29,600件弱、倒産も含めると3,6万件位


❶開業時、人は何処から、そのお金を調達しているのでしょうか。

ざっと考えれば・・・

1身内から、とりわけ親からの援助・借りる
2自分で働いてためたお金
3銀行などの金融機関から借りる
4国や自治体から借りる・・・補助金・助成金
5知人から借りる
6相続した資産
7投資家を募る

等があります。

お分かりの様に、2だけが、自立自尊で公明正大で、かつ地道な努力の賜物と考えるのは誰しもでしょう。
しかも、昔からの基本道になっています。
故に、使い方もあなた自身と思えるお金です。
他の物は、全て「借金」です。
何もない所から、利益を生み出そうとするには、爪に火を点す様な生活の中で生きるのかもしれません。
個人企業でやっている人の多くは、このタイプでしょうか。
「借金」をして、返していけるほどにやっていけるかの不安があります。
また、企業融資を行おうとする人にとっては、その時点で多くの算段があることを前提とすることが多いでしょう。
先のある程度の見通しもなくはじめれば、起業倒産は目の前です。


借りるのであればやはり、3,4が一番でしょう。
友人知人では、いつ返せと言われるかもしれない事を考えれば、末恐ろしいと言っても同じです。
諸外国では、投資家を募って会社を起こすことは、ザラな事だと言われますが、日本では、余程でもない限りありません。
貴方の意気込みにたとえ賛同しても、保証が何もないからでもあります。


ちなみに、親からお金を借りると言う事も多いでしょう。
香率となれば、親が一番言い安い・頼みやすい人でしょう、
親から借りるのも出来るだけ最期にしたほうが、甘えも出にくいものです。しかし、借りるとなったら、借用書を交わしておきましょう。借用書もなく、貰えるとなったら、「贈与」ですから、贈与税がかかってきます。


❷では、開業にはどのような資金が必要なのか・・です。

1開業資金
2運転資金
3設備資金
4生活資金

この4つは、初めから計画しなければなりません。

電話一本。机一つあれば、出来ると言うようなものは有りません。



1開業資金

文字の通り、開業時に必要な資金です。
初めにいくら必要かは、事業内容にもよるところ大です。
銀行などでの融資に際しても、自己資金割合が問われます

     
2運転資金

普通、事業には、「仕入れ・製造・加工・販売・人件費など色々な経費が生じます。これら日常業務を行うに際して必要な資金の事を、「運転資金」と言います。


3設備資金

建物・土地など不動産や、機械などを購入するための資金を言います。

機械も高額なものともなるでしょうから、これらは長期的な投資金です。資産としては固定化されるので、そこから利益を直接生む状態にならない限り、借金と変わりません。


生活資金は、いくら必要か?

老後の夫婦生活資金には、30~35万円ないと、少しは楽な生活が出来ないと言われます。
貴方が独身で有る場合と家庭がある場合とは勿論違います。
よく本などには、1年間分の生活費がまづ必要だと書かれています。
果たしてそうでしょうか。
1年内にあなたの起業した仕事は、採算が取れているでしょうか。

初年度の利益が出ていなくとも、生活費を捻出できたとしても、次年度もそうとは限りません。つまり、1年や2年で、トントンと言えるような財政状態は、そう簡単ではないというより、赤字が多いものです。そして、その赤字が解消のめどすらできるのは、何年後でしょうか。
最低でも、3年は生活が出来るほどの、資金に余裕がなければいけないと言う事です。
また、数年で、借金をしてでも、仕事は軌道に乗りかけている保証がない限り、恐怖です。
よく「借金をしないと大きくなりえない」と言われます。
それは正しいでしょう。しかし、それは、それなりの基盤のできている企業の話です。未来をあれこれ創造するのがメインのような会社状態の時期です。
「借金」は、返す当てがない=予定がないものは借りてはいけないのです。
「創業融資」で借りられるのはやはり、それなりの毎回の返済能力や、担保物件があってのことは言うに及びません。

・中小の建設業が公的な融資を受ける時には、建設業許可のあるなしが問われます。


例)年間生活費(独身) 
月20万円x12か月=240万円 3年x240万円=720万円
月15万円Ⅹ12ヶ月=180万円 3年✕180万円=540万円
例え500万円元手に始めたとしても、3年で生活費だけで赤字になります。
1年目は、大概赤字ですので、2年目以降、そこそこに収益が無いとやっていけない事は目に見えています。



とても参考になるのは、中小企業庁の「中小企業のライフサイクル」第2部(PDF)でしょう。

1972~2012における「起業希望者・起業準備者・起業家」を性別・年齢別に分けて捕らえ、また、起業意識・起業無意識・起業活動についての国際比較がしてあります。

そして、起業時・起業後の成長段階(創業時・成長初期・安定拡大期に分けて)における分析がなされています。

それぞれのデータが、細かいので、とても有益ばかりでなく、起業時の必須事項の考え方の指針となることは間違いありません。

自社企業はどのタイプなのか、そのタイプによる経営基準はどれを取るのがいいのかなどには、自社に照らし安く、良い結果を得られやすくなります。