図で見る面積と体積
結局積分すればいいといっても、やはり図で見た方が分かりやすいということがあります。今回は図で面積や体積について考えてみます。
まず、面積の求め方です。長方形(図では正方形)の面積は縦と横の積、言い換えると、
(長方形の面積) = (底辺) × (高さ)
となりますが、三角形の面積はこの半分の面積になるので、
(三角形の面積) = (底辺) × (高さ) / 2
となります。
円の面積は、図のように底辺に相当する部分が円周(2πr)になり、高さに相当する部分が半径(r)になるので、
(円の面積) = 2π × (半径) × (半径) / 2 = π × (半径) × (半径)
となります。底辺に相当する部分が曲線ですが、実はちゃんと先ほどの式は成り立ちます。(円周がπ × 直径になっているのは、円周率π(パイ) = 3.14…の定義のようなものです。)
次に、球の表面積について見ていきます。球の表面積は、
(球の表面積) = 4π × (半径) × (半径)
となりますが、これは、実は球をすっぽり覆う円柱の側面の面積(図では横2πrと縦2rの積)と同じになります。このことについて、横に無限に薄く輪切りにした時の、球面と円柱の切り取った部分の面積が同じになることから確かめていきます。
図のように、中心軸から球面までの距離をdとすると、円柱の中心軸からの距離はrなので、横の長さは遠くにある円柱の方がr / d倍に伸びています。逆に、図の大小の三角形の形が同じ(相似)なので、縦の長さは円柱の方が傾いていない分d / r倍に縮んでいます。結果、縦横の伸び縮みの影響が相殺して、球の表面積と円柱の側面の面積は同じになります。
最後に、体積の求め方です。立方体を図のように6等分するとわかりやすいのですが、図のような四角錐は、底面積(xの2乗)は1辺の2乗、高さ(x / 2)は1辺の半分なので、それを更に1 / 3倍することで立方体の体積(xの3乗)を1 / 6倍したものになります。つまり、
(錐体の体積) = (底面積) × (高さ) / 3
と、全体を1 / 3倍すれば錐体(先がとがったもの)の体積が求められます。例えば球の体積は、底面積に相当する部分が表面積(4π×rの2乗)、高さに相当する部分が半径(r)なので、
(球の体積) = 4π × (半径) × (半径) × (半径) / 3
となります。底面が曲がっていても実は成り立つのがすごいですね。
今回は面積や体積について図で見てきました。三角形の公式が円にも使えると知った時、私は感動しました。もちろん、扇形も弧の長さと半径の積の半分が面積になります。積分すればいいとはいえ、図で見てわかるのは楽しいですね。