同志社ラグビー・学生スタッフ陣に栄光あれ!
当然、皆様はご存知だと思いますが、同志社大学ラグビー部には、選手だけでなく、監督・コーチ・医師・トレーナー・アナリスト・栄養士等のスタッフ陣が裏方として日夜、奮闘しています。
学生スタッフに目を転ずれば、マネージャー、トレーナ―、アナリスト、レフェリー等、現在、実に33名ものメンバーが頑張っています。10年前は、全学生スタッフ合計しても10名にも満たなかった印象があり、その充実振りは少なくとも人数の上からは隔世の感があります。
私など昭和世代は、「何が楽しくてスタッフなんかやっているのか?」と10年ほど前までは思っていました。花形の選手陣に比べ、裏でジャージを洗濯したり、試合の記録を録ったり、選手にテープを巻いたりして何が面白いのだと・・・。
しかも、試合や遠征・合宿等の交通費や宿泊費は、一部の招待試合等を除き全て自腹、親の身にもなって見ろと・・。平日は毎日、雨の日も風の日も夕刻から夜8時過ぎまで拘束され、土日は終日、ただただ選手のサポートばかり・・。OFFは、週1回(月曜)だし、前期試験が終わったら休む暇もなく夏合宿へ・・。(合宿費も高い!)
こりゃ私の学生時代に所属していた某部(本当は団ですが)と同様に、退部したくても辞めれない現在の生き地獄、パワハラ体制の犠牲者ではないかと、半ば本気で思っていたわけです。ところが、学生スタッフ陣と少し話してみると、思いの他、イキイキかつハツラツと活動しているのが良く分かります。
私の理解するところでは、正に心底「For the Team」を具現している人々の集団なのであります。そこには、「自己犠牲」と言った辛気臭い概念は全く存在しない、明るく前向きな世界が存在します。これは、我々ファンクラブのメンバーの心境に相通じるものであり、心から共感できます。
現在の“自己中”の世相下、チームの勝利に少しでも貢献していることが実感できることが「何よりも嬉しい!」と自信をもって言える人達が存在していること自体、令和の奇跡でもあります。
ただ、裏方であることは間違いなく、レギュラー選手の様に大観衆から喝采の拍手を浴びることは一切ありません。
ちょっとHPの更新や御礼状の発送が遅れたりすると、非難の矢面に立つ立場なのであります。傍目には、どうしても「何が楽しくて・・」と思ってしまいがちですが、やはり、最大の楽しみは間違いなくチームの勝利、ひいては関西大学ラグビー優勝、大学選手権優勝なのであります。
私の写真撮影で一番の楽しみは、トライ直後の選手たちの「押し殺した歓喜の表情」を撮ることであります。選手たちの少し抑えながらも喜びに満ち溢れた表情ほど、素晴らしいものはありません。
トライの後、お互いを讃えながら嬉しさを押し殺し引き上げる選手諸君の背中・・、これほど美しいものはありません。ファン冥利、撮影者冥利に尽きます。この気持ちをファンと心底共有出来るのが学生スタッフだと思っております。
このように4年間、「For the Team」を実践し、訓練されて来た人材を企業の採用担当者が見逃すはずはありません。4年間の苦労が、一流企業への就職として花開くのは実に喜ばしいことです。
蛇足ではありますが、今年度スタッフ出身の岩本君がチームのNO.2の「主務」に抜擢されたのは、実に画期的な話であります。これまでは、選手出身者が務めることが多かった様に思いますが、スタッフのチーム内地位が向上されたと思われ、岩本主務の活躍を見るにつけ、萩井監督の慧眼に感服する次第です。
ちなみにマネージャーが選手のジャージの洗濯をするなんて話は、20年も30年も前に廃止され、着用した選手各自でやってるとのことです。誤解なき様に・・・。(F:2019.8.13)
(注意)写真はイメージであり、文中とは直接的な関係はありません。 以上