6月20日(木) クリムト展に行ったあと句会
BS句会は5句だし、1句並選で、後は全滅。虚しい。ゲストは櫂未知子先生。
提出句は、秘め事は紫陽花に似て沙羅に似て、古備前の花器に真白き珠の花、葉を首に鋸引きや菖蒲の湯、肌黒きブラザーの売るパイナップル、父の日や謹厳実直は似ず。
秘め事は紫陽花に似て沙羅に似て
姫事、秘め事、詰まり情事を感がえると、大人しいと思っていた人が情熱的になり、ふてぶてしくなり、時間経過とともに変わって行くものだ。勿論体の反応も変わって行くだろう。一方で、一夜限りの会い、ワンナイトラブも当然ある。色を変えていく紫陽花、一日で枯れてしまう沙羅の花の情事を例えてみた。
古備前の花器に真白き珠の花
茶道の稽古で、炎の跡が残る、古備前の花入れに、七変化の前の真っ白な紫陽花が行けられていた景Wを詠んだ。
葉を首に鋸引きや菖蒲の湯
菖蒲湯は、長細い菖蒲の葉を湯に浮かべ、その香を楽しむものだが、葉を集めて、その真ん中に身体を沈めたり、葉を手にして刀の様に湯を打ったりして子供の頃遊んだものだ。入浴中に、菖蒲の葉が、区部に絡みつき、地面に埋められた訳ではないが、まるで湯の中にいて、鋸引きされている感じを味わった。
肌黒きブラザーの売るパイナップル
今日の席題がパイナップルだった。先日タイのリゾート地、サムイ島に行ったが、海辺に入ると、様々な物売りがやって来て、商売に励んでいる。その中に、タイの人ではない、黒い肌の物売りがやって来て、パイナップルやマンゴ、西瓜を売りに来た。パイナップルは、甘く、ジューシーで、美味しかった。パイナップルの漢語は、鳳梨(ほうり)と言うのだそうだ。67歳で始めて知った。
父の日や謹厳実直は似ず まゆみ並選
亡くなった父からは、今気が付くと、色々な影響を受けているのを感じる。今が楽しければそれでよしとする享楽的な所は、極めて似ている。本当のところは、どうだったか分からないが、謹厳実直に見えた父には、今の私は全く似ていない事に気が付いた。今となっては、実際に父が謹厳実直だったかどうかは疑問符が付くが、私は、謹厳実直に見せる努力もしなかった。文字が足りないと櫂先生からは指摘された。